祖母・傾・大崩ユネスコエコパークとは?世界自然遺産との違いや魅力を紹介-0

祖母・傾・大崩ユネスコエコパークとは?世界自然遺産との違いや魅力を紹介

「ユネスコエコパーク」と聞いて、何を思い浮かべますか?「世界自然遺産と何が違うの?」「自然を守るだけのエリア?」そんな疑問を持つ方も多いかもしれません。世界自然遺産が貴重な遺産を「保護」することに重きを置くのに対し、エコパークは「自然と人間の共生」を目的としています。この記事では、宮崎・大分両県にまたがる「祖母・傾・大崩ユネスコエコパーク」を題材に、その仕組みと魅力を詳しく解説します。難しく思われがちな概念を紐解きながら、この土地だからこそ味わえる圧倒的な生命力をご紹介します。この記事を読めば、きっとあなたも「共生」という新しい旅の視点が見つかるはずです。

そもそもユネスコエコパークとは? 世界自然遺産との違い

ユネスコが推進する「世界自然遺産」と「ユネスコエコパーク」は、目的や自然との向き合い方に大きな違いがあります。世界自然遺産は、貴重な自然や文化財を破壊から守り、そのままの形で未来へ引き継ぐ「保護」を目的としています。対してユネスコエコパークは、生態系の保全と同時に、自然を適切に活用する「自然と人間社会の共生」を重視します。

つまり、遺産を宝として守り抜くのが世界自然遺産であり、持続可能な地域発展のモデルを目指すのがエコパークです。日本では「祖母・傾・大崩」など10地域が登録され、自然と人が共に生きる道を探っています。

ユネスコエコパークの3つの機能と地域

「ユネスコエコパーク」では自然と人間の「共生」を実現するため、以下の3つの機能を備えています。

1.保存機能:生物多様性の保全
2.学術的支援:調査・研究・教育の推進
3.発展機能:持続可能な経済・社会の発展

そして、これらの機能を具体化するため、「ユネスコエコパーク」では役割の異なる3つのエリアを設定しています。

1. 核心地域

ユネスコエコパークの最も中心に位置するのが「核心地域」。
ここは、原生的な自然や貴重な生態系を維持するために、法的に厳重な保護が義務付けられているエリアです。
世界自然遺産のイメージに最も近く、人の立ち入りや活動を最小限に抑えることで、かけがえのない自然を「そのままの姿」で未来へつなぐ役割を担っています。

2. 緩衝地域

核心地域の周りを取り囲む「緩衝地域」。
その名のとおり、外部からの影響が直接核心地域に及ばないよう「クッション」の役割を果たすとともに、自然と人が触れ合う接点となります。
エコツーリズムや学術研究など、自然に大きな負荷を与えない範囲での活動が認められており、私たちが自然の仕組みを学び、その価値を再発見するためのフィールドとして活用されています。

3. 移行地域

最も外側に位置する「移行地域」は人々が暮らし、農業、林業、観光業などの営みがあるエリア。
自然の恵みを守りながら、それを賢く利用して持続可能な地域づくりを行う「生活の場」です。
自然を封じ込めるのではなく、日々の暮らしや産業と調和させることで、豊かな環境と活力ある社会の持続的な両立を目指しています。

このように「保全・支援・発展」の3つの機能とそれぞれのエリアが重なり合うことで、ユネスコエコパークは人と自然が共に生きる未来のモデルを形作っています。

Column

「世界農業遺産」との深い関係-1

「世界農業遺産」との深い関係

「ユネスコエコパーク」が「自然環境」に主眼を置くのに対し、世界農業遺産は次世代へ継承すべき伝統的な「農林業のシステム」に焦点を当てています。
アプローチは異なりますが、どちらも「地域固有の自然を敬い、その恵みを絶やさず活用する」という自然との共生を根底に持っています。
守るべき自然があるからこそ産業が成り立ち、人の営みがあるからこそ独自の環境が維持されるという、密接な相互関係が両者の共通点です。
宮崎県では、「高千穂郷・椎葉山地域」が2015年に認定されています。

祖母・傾・大崩ユネスコエコパークの3つの特徴

1.急峻な山岳地形と美しい渓谷

垂直に切り立つ花崗岩の岩峰や、原生林に濾過されたエメラルドグリーンの清流など、険しくも美しい大自然が広がっています。
日本百名山にも選ばれている祖母山や「九州最後の秘境」と呼ばれる大崩山など、本格的な登山も楽しむことができます。

2.幅広い植生と生物種の宝庫

国の特別天然記念物であり「生きた化石」とも称されるニホンカモシカの南限の生息地として知られ、運が良ければ岩場に佇むその姿を拝むことができます。
また、春には切り立った岩壁をピンク色に染める希少なアケボノツツジが咲き誇り、夏には日本固有種のキレンゲショウマが森を彩ります。

3.神々と共にある祈りの暮らし

峻険な山々は古くから信仰の対象であり、人々は厳しい自然の中に神の存在を見出してきました。その象徴ともいえるのが、秋から冬にかけて各地で奉納される「夜神楽」。
一晩中舞い続けるこの伝統儀式は、単なる芸能ではなく、五穀豊穣への感謝と自然への畏怖を捧げる、現代まで絶えることなく続く祈りの形です。

奇跡の自然図鑑。エコパークの動植物と地形

このエリアがエコパークに認められた最大の理由である、圧倒的な「生物多様性」を紐解きます。絶滅が危惧されるニホンカモシカや氷河期から生き残る希少な植物、そして数千万年の歳月が造り上げたダイナミックな地形の成り立ちに迫ります。

自然と共に生きる。エコパークを支える人々の暮らしと歴史

険しい自然環境を「知恵」へと変え、山を敬いながら森の恵みを分かち合ってきた人々の暮らしに迫ります。神々と共に生きる信仰や伝統文化など、教科書には載っていないこの土地ならではの「生きた歴史」と、未来へ繋ぐための挑戦をご紹介します。

アクセス情報

九州最後の秘境とも呼ばれる大崩山や神々の息吹を感じる高千穂町。そして深い渓谷に壮大な橋が映える日之影町。魅力的なスポットが点在するこのエリアは、車での移動がスムーズです。各拠点からの最短ルートをチェックして、旅の計画を立てましょう。

まとめ

「祖母・傾・大崩ユネスコエコパーク」を訪れることは、単なる観光以上の意味を持っています。地元の食材を味わい、地域の人々と語らい、豊かな自然の中で過ごす時間は、そのままこの地の環境と文化を守り続ける「応援」へと繋がります。自然から一方的に受け取るだけでなく、私たちもその循環の一部になる。そんな新しい旅の形を、この地は優しく受け入れてくれます。日常から少し離れて、自然と人が共に歩む「共生の物語」を体感しに来ませんか。あなたの訪問が、次の世代へとこの美しい自然を繋ぐ、大切な一歩になるはずです。

■本ページのお問い合わせ先
宮崎県 総合政策部 中山間・地域政策課 地域総合調整担当
TEL: 0985-26-7035
MAIL: chusankan-chiiki@pref.miyazaki.lg.jp

祖母・傾・大崩ユネスコエコパーク宮崎県エリアガイド

 

次に読みたい記事

当サイトでは、利便性の向上と利用状況の解析、広告配信のためにCookieを使用しています。サイトを閲覧いただく際には、Cookieの使用に同意いただく必要があります。詳細はクッキーポリシーをご確認ください。