宮崎焼酎と宮崎ワインを巡る旅
宮崎県は、豊富で良質な天然水と、南北に長く広大な土地で栽培される多彩な農作物により、バラエティ豊かな焼酎文化を築き上げてきました。また、近年では降雨量が多く、高温多湿なブドウ栽培に向いているとは言えない環境に負けず、独自の品種改良を進め、ワイナリーも増え、九州のワイン総生産量の半分以上を占める県となっており注目を集めています。宮崎観光とあわせて楽しみたい、宮崎を代表するお酒「焼酎」と「ワイン」の基礎知識をお届けします。
宮崎の本格焼酎とは?
焼酎は連続式蒸留機で何度も蒸留を繰り返し、純度を高めた「甲類焼酎」と、単式蒸留機を使い、じっくりと蒸留された、原料の持つうま味や風味がしっかり残る「乙類焼酎」に分類されます。
単なる焼酎の分類でしたが、「甲乙つけがたい」という言葉があるように、乙類のほうが劣っているというイメージを払拭するために、霧島酒造の二代目 江夏順吉氏が乙類焼酎の霧島焼酎を「本格焼酎」として、ブランディングしたことが始まりと言われています。
本格焼酎の歴史はまさに、この宮崎県からスタートしたと言っても過言ではありません。
Column
日本清酒発祥の地は宮崎県?
お米で造られた、日本最古の酒とされるのは、日本書紀の中で述べられている「あまのたむざけ」という説があります。アマテラスオオミカミの孫にあたるニニギノミコトと結ばれたコノハナサクヤヒメが母乳不足をお米で造った甘酒(あまのたむざけ)で代用したものとされており、西都市の都萬(つま)神社の境内には「日本清酒発祥の地」の標柱が立てられています。
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日本清酒発祥の地は宮崎県?
お米で造られた、日本最古の酒とされるのは、日本書紀の中で述べられている「あまのたむざけ」という説があります。アマテラスオオミカミの孫にあたるニニギノミコトと結ばれたコノハナサクヤヒメが母乳不足をお米で造った甘酒(あまのたむざけ)で代用したものとされており、西都市の都萬(つま)神社の境内には「日本清酒発祥の地」の標柱が立てられています。
もっと見る宮崎県でしか飲めない本格焼酎
全国的な知名度を誇る宮崎県の焼酎ですが、同じ銘柄でも宮崎県で呑まれている焼酎のアルコール度数は20度が主流です。
戦後の食べるものも乏しい時代、当然酒類も不足し、質の悪いアルコール20度程度の密造酒が出回り、中毒などの問題が起こったことから、国が対抗措置として、25度以上のものだけが製造を許可されていた当時では異例の20度の焼酎の製造販売を許可しました。
こうした背景により、宮崎県ではそのまま20度焼酎が定着し、現在まで庶民の味として親しまれています。
各エリアの本格焼酎の特徴
宮崎県は南北に長く多彩な農作物が生産されています。温暖な県南は芋、県西は米どころと、栽培適地として藩政時代以来の歴史があります。また、鹿児島県に近い県南エリアや都城市では芋焼酎、芋の栽培が少ない県北などでは米や麦、ソバ、珍しいものでは栗などを原料とした焼酎が造られており、バラエティ豊かな原料からさまざまな種類の本格焼酎が造られています。酒造によっては宮崎県内のみでしか販売していない限定焼酎なども製造しているので、お酒好きな方へのお土産にもぴったりです。
Column
飲み比べが楽しくなる!本格芋焼酎の味わいマップ
県産芋焼酎の香りや味をより楽しんでいただけるよう制作された「宮崎本格焼酎味わいマップ(芋焼酎)」。
宮崎県食品開発センターが、県内の27蔵元74銘柄の芋焼酎の香気成分や味を機器分析やヒトの官能により評価し、「芳醇」「華やか」「和」「すっきり」の四要素に分類してマップにしました。
好みの焼酎を選ぶ時や飲み比べする時に是非ご活用ください!
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飲み比べが楽しくなる!本格芋焼酎の味わいマップ
県産芋焼酎の香りや味をより楽しんでいただけるよう制作された「宮崎本格焼酎味わいマップ(芋焼酎)」。
宮崎県食品開発センターが、県内の27蔵元74銘柄の芋焼酎の香気成分や味を機器分析やヒトの官能により評価し、「芳醇」「華やか」「和」「すっきり」の四要素に分類してマップにしました。
好みの焼酎を選ぶ時や飲み比べする時に是非ご活用ください!
宮崎本格焼酎の美味しい飲み方
本格焼酎の飲み方にルール無し!自分の好みや季節によって、色々な飲み方を試してみてください。
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ロック
度数の高い焼酎に向いています。最初に氷を入れて十分にグラスを冷やしてから焼酎を注ぐのがポイントです。
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水割り
自分が飲みやすい好みの濃さに割ります。前もって焼酎を水で割って寝かせておく「前割り」も非常にまろやかです。
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ソーダ割り
炭酸水で割ります。特に夏はすっきりと飲みやすくおすすめです。へべすや日向夏などの柑橘類を入れると口当たりが爽やかに。
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お湯割り
冬は特におすすめ。お湯を先に入れてから焼酎を注ぐと香りがより楽しめます。宮崎では「ろくよん(焼酎6:お湯4)」や「しちさん(焼酎7:お湯3)」がポピュラー。
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ストレート
宮崎の本格焼酎は度数が20度が主流のため、何も入れずにそのまま飲む「生(き)」もおすすめ。本来の焼酎の香りと味を楽しめます。
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燗つけ
昔から伝わる飲み方で、あらかじめ水割りにした焼酎を温めて飲みます。こちらも冬におすすめの飲み方です。
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焼酎は1合で⁉ グラスやポット、アイスペールもチェック
都内の飲食店など一般的な焼酎は1杯70ml~90ml程度で提供されますが、宮崎ではアルコール度数が20度ということもあり、1杯注文すると1合(180ml)徳利で提供されることもあります。
希望の飲み方を伝えましょう!酒蔵から協賛されたロゴ入りのグラスやポット、アイスペールがセットで出てくることも。酒蔵ごとに異なるデザインにも注目です。
焼酎は1合で⁉ グラスやポット、アイスペールもチェック
都内の飲食店など一般的な焼酎は1杯70ml~90ml程度で提供されますが、宮崎ではアルコール度数が20度ということもあり、1杯注文すると1合(180ml)徳利で提供されることもあります。
希望の飲み方を伝えましょう!酒蔵から協賛されたロゴ入りのグラスやポット、アイスペールがセットで出てくることも。酒蔵ごとに異なるデザインにも注目です。
見学・体験ができる酒造所
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霧島ファクトリーガーデン
もっと見る本格芋焼酎「白霧島」「黒霧島」などで有名な霧島酒造の直営ガーデンパークです。
霧島焼酎が生み出される工程の見学や試飲ができる体験型施設(要予約)や、この地で焼酎づくりを行う背景について、大地の成り立ちから学ぶことができる文化施設があります。 -
蔵元 綾 酒泉の杜
もっと見る日本最大級の照葉樹林を有する綾町に位置し、照葉樹林が生み出す清らかな水を使って酒造りを行う雲海酒造直営の複合施設です。綾自然蔵見学館の蔵見学(事前予約制)では雲海酒造で造られているアルコールの試飲もできます。
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トンネルの駅
もっと見るトンネルを利用した神楽酒造の焼酎の長期貯蔵庫がある「トンネルの駅」は、高千穂の大地に育まれた特産品・伝統工芸品などを豊富に取り揃えた物産館です。焼酎の樽が約1,000本貯蔵されているトンネルは見学無料。試飲コーナーもあります。
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金松法然
もっと見る「焼酎の神様」法然様が眠る金松法然神社。村人の苦難や危機を幾度も救った法然様が亡くなる直前、焼酎を供えてくれれば一つの願いを叶えてやると遺言したことから、多くの参拝客が焼酎を持って訪れます。近くの商店では参拝用のお線香とろうそく、ワンカップ焼酎などをセットにして販売しています。
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焼酎道場
もっと見る櫻の郷酒造の酒蔵見学は、体験型ミニブルワリー「焼酎道場」。製造工程見学のあとは、いも・むぎ・そばなど、さまざまな原料から造られた焼酎をブレンドし、手書きのラベルを貼って、世界に一本だけのオリジナル焼酎づくり体験ができます。
宮崎のワイナリー
降雨量が多く、高温多湿なブドウ栽培に向いているとは言えない環境の宮崎県ですが、全国トップクラスの温暖な気候や日照時間を活かし、県内に点在するワイナリーそれぞれが独自の品種改良を進め、美味しい宮崎ワインを醸造しています。
その歴史は、まだ比較的浅いながらも、九州のワイン総生産量の半分以上を醸造するまでに発展を遂げています。
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五ヶ瀬ワイナリー
もっと見る地元農家が大切に育てた五ヶ瀬産ブドウを100%使用したワインの醸造所「五ヶ瀬ワイナリー」。寒暖差の激しい土地とおいしい水が育んだブドウは、糖度と酸味のバランスがよく、フルーティーなワインになります。なかでも白ワイン「ナイアガラ」は、華やかな香りで大人気です。
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都農ワイナリー
もっと見る美しい日向灘と尾鈴連山に囲まれた牧内台地に広がる都農ワイナリー。尾鈴産ぶどう100%で造られたワインは世界でも高い評価を受けており、国内外から数多くの賞を受賞。ワイナリーツアーでは醸造家の案内でブドウ畑や醸造施設などを見学でき、ワインの試飲もできます。
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香月ワインズ
公式サイトを見る香月ワインズは宮崎県綾町にある、少量生産の手造りナチュラルワインに力を入れる、家族経営のワイナリー。日本の食用ブドウ栽培のテクニックをヨーロッパのワイン用品種に適合させ、今までこの地域では不可能だと思われていたワイン用品種の無農薬栽培を行っています。
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雲海葡萄酒醸造所
もっと見る綾町特産のぶどう「ブラックオリンピア」を使用したフレッシュ&フルーティーなワイン造りを目指し1994年にオープン。ぶどう本来の香りを最大限に活かす低温発酵や独自の貯蔵法、フレッシュさを生かす熱処理を一切行わない瓶詰めによる製造法で、フレッシュでフルーティーな味わいを引き出しています。
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都城ワイナリー
もっと見る霧島山系、高千穂峰の麓にあるワイナリー。生育期の降雨量が多い厳しい環境や水持ちの悪い火山灰土壌を逆手に取り、山の南斜面を段々畑にすることで質の高いブドウを生産し、都城でしか造ることのできないワインを追求しています。
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小林生駒高原葡萄酒工房
もっと見る小林市は県内でも一番のぶどうの生産地。小林産のぶどうを100%使用したワインの自家醸造に取り組むワイナリー。地元の人にも愛されるワインを目指し、本格派ワインはもちろんのこと、飲みやすく、新鮮な地元の食材ともよく合う地域に根ざしたワインも醸造しています。
焼酎・ワインMAP
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