神話の源流へ

宮崎の神楽

神楽 11月半ばになると、山里の集落に笛の音、太鼓の鼓動が響き渡ります。
■神楽とは
神楽は五穀豊穣や豊漁(豊猟)を感謝し、1年の生活の安定を祈る集落の祭りです。地域に祭られる神々への祈りを、舞いに込めて受け継いできました。県内では11月ごろから3月ごろまで各地で行われ、昼神楽と夜神楽があります。
一説には、太陽神アマテラスオオミカミが天の岩戸に隠れた折に、岩戸の前でアメノウズメが舞った舞が起源とされています。
神楽とは
■見どころは?
神楽当日まで、神楽宿のしつらえの準備が行われています。神楽を舞う神庭(こうにわ)のしめ縄や彫り物(えりもの・周囲にめぐらせる切り紙)などの美しいしつらえ、集落に数百年も伝わる貴重な御神面など、見どころもたくさん。
神楽は、午後2時ごろからの神迎えという神事から始まります。道行(みちゆき・神楽宿に土地の神々をお連れするための御神幸)から、神楽宿への舞い入れとなります。午後7時ごろから翌朝まで、33番を舞い明かします。
見どころは?
神楽
神楽
地元の人たちと一緒に、歩きながら神楽宿に向かうと、太鼓や笛の音が近づいてきます。子どもたちは駆け出して行って、その音に合わせて自然と体を動かします。幼いころから体に染み付いている神楽のリズム。名人の舞いの見どころは、特に脚さばきにあるそうです。太鼓や笛などのお囃子も、交代をしながら集落のほしゃどん(奉仕者)が奏でます。
地域によってはほしゃどんだけでなく、一般の飛び入り可能な番付があります。男性や子どもがほとんどですが、衣装や面を付け、神楽を存分に味わうことができます。子ども神楽や夜中の番付など、質問したいことがあったら、屋外で火を囲んで暖をとりながら、話しかけてみてください。
夜が白々と明け始め、天岩戸を開く「戸取」の後、「日の前」の舞とともに朝日が神庭に差し込んでくると、座は感動に包まれます。最後は見物客も一緒に参加し、神庭の上にある「雲」と呼ばれる天蓋から紙吹雪が舞い散り、フィナーレを迎えます。
■里人たちの思い
集落に長く長く受け継がれてきた神楽。公民館や神社境内などが神楽宿となることも多いですが、自宅が神楽宿となる集落も残っています。その場合は神庭を構えるために設計されており、「神楽を舞える家を建てるのを目標にしている」という言葉が聞かれるほどです。かつては、一家の長男のみが舞うことを許され、直会の食事作りを含め、一切を男性が取り仕切っていました。神楽で舞うことは憧れだったそうです。変化してきた部分もありますが、祖先から受け継がれてきた神楽への思いを感じてみてください。
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県内各地の主な神楽
〈神〉が生まれた、その場所へ  
■高千穂町 町内20カ所ほどで伝承
国指定重要無形民俗文化財
[毎年11月から翌年2月]
神々の息づかいを間近に感じる  
■椎葉村 村内26カ所ほどで伝承
国指定重要無形民俗文化財
[毎年11月から12月]
天孫ニニギを魅了したコノハナサクヤヒメの謎に迫る  
■国指定重要無形民俗文化財
[毎年12月14日から15月]
海幸・山幸兄弟の物語  
■国指定重要無形民俗文化財
「狭野神楽」[毎年12月第1土曜]
「祓川神楽」[毎年12月第2土曜]
神武東征@生誕〜出立ルート  
■諸塚村 村内3カ所 県指定無形民俗文化財
[戸下夜神楽:1月の最終土曜日/
南川夜神楽:2月の第1土曜日/桂神楽:不定期]
神武東征Aお舟出ルート  
■「村所神楽」「小川神楽」「越野尾神楽」
県指定無形民俗文化財[毎年12月]
高千穂峰をめぐる旅 ■[白髭神社(川南)][平田神社(川南)][八坂神社(高鍋)][愛宕神社(高鍋)][八幡神社(新富)][比木神社(木城)]の6旧郷六社を年巡
県指定無形民俗文化財[毎年旧暦の12月]
手から生み体験する神話  
■西都市尾八重 県指定無形民俗文化財
[毎年11月第4土・日曜日]
海の神々に会いに行く  
■宮崎市清武町 県指定無形民俗文化財
[毎年3月21日(春神楽。奉納は日中)稲作に関する「作神楽」を日中に奉納。]
春の訪れを告げる昼神楽  
■日南市北郷町
[毎年2月11日(建国記念日)]
日南市指定無形民俗文化財
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■宮崎市生目
宮崎市指定無形民俗文化財
[3月15日に近い土曜日]
勇壮な舞を擁した春神楽  
■新富町新田
宮崎市指定無形民俗文化財
[2月17日]
地域ならではの特徴も伝える神楽  
■日之影町指定無形文化財
日之影町 町内27ヶ所で伝承
[毎年12月から翌年2月]
高千穂神楽の祖形を残す神楽  
■五ヶ瀬の神楽
五ヶ瀬町 町内5ヶ所で伝承
[毎年11月から翌年1月]
百済王を鎮める神楽  
■美郷町南郷区
県指定無形民俗文化財
[1月下旬の金・土・日]
■事前の準備
1
代表的な高千穂神楽の場合、午後2時ごろからの神迎えや道行などから見ることができます。一晩中、神楽宿で鑑賞することは可能ですが、近くで宿が取れる場合は、時々、宿で休憩を取りながら鑑賞することをおすすめします。地元の人と同じように、歩いて神楽宿に向かうのもいい体験です。フィナーレ、神様をお送りする神送りまで翌朝まで執り行われます。
2
神社の境内や、民家で行われることが多く、窓を開け放した状態なので、防寒具は必須。カイロや毛布を持参しましょう。宿泊所や車を停めた場所から夜道を歩くので、懐中電灯も持っていると安心です。雪が降り始めた場合に備えて、車のチェーンも準備しておきましょう。
3
鑑賞する場合は、焼酎2本(地元の酒屋で頼めば、地元の焼酎に熨斗を付けてくれます)か、それに相当するお金(2千〜3千円程度。ご祝儀袋に御初穂または御神前と書きます)をお供えするのがマナーです。神楽宿に到着するまでに、焼酎やご祝儀袋、細かいお札、筆記用具などを準備しておきましょう。
4
地域によっては、竹筒で焼酎を温めた「かっぽ酒」や煮しめなどが振る舞われる場合もありますが、儀式料理のため供されない地域もあります。食事や、温かい飲み物は自分で準備しておきましょう。
■鑑賞のマナー
神楽は、地域の人が神々と一体となる儀式です。そこに参加させていただくという気持ちで訪ねましょう。
神楽を舞う神庭の中は、一般客、特に女性は立ち入り禁止という場合がほとんどです。しきたりに従い、分からないことは尋ねましょう。
ビデオやカメラで撮影する場合は、三脚を禁止しているところも多いため注意してください。
参考:「祈りと伝承の里 高千穂の夜神楽」