ここから本文です。
海と山に囲まれ起伏に富んだ地形を持つ宮崎は、海の幸も山の幸も豊か。九州の南東に位置するため南国イメージがあり、特に県産の高級マンゴーは全国的に知られています。宮崎で楽しみたいグルメといえば、マンゴー以外にも地鶏、宮崎牛、焼酎、チキン南蛮、日向夏など、バラエティー豊富。今回は、美味しさに秘密のある宮崎グルメ3店をご紹介します。
(この記事は令和5年3月20日時点の情報です。)
宮崎県の南端に位置する串間市は、東は日向灘、西は志布志湾に面し、豊富な水産資源に恵まれています。
串間市で2013年3月に誕生したご当地グルメ「串間活〆ぶりプリ丼ぶり」は、10年以上愛される人気商品。2022年にはご当地どんぶりランキング全国第二位を受賞した実績を持ちます。
ぶりプリ丼は串間市内のいくつかの店舗で楽しめるのですが、「串間活〆ぶりプリ丼ぶり」を名乗るには、「黒瀬水産の活〆ブリを使用する、串間の食材や旬にこだわった素材を使用する、ブリの量は100g以上とし食べやすいよう薄切りにする、価格は1,200円(税込)とする」など、守らなくてはいけない12箇条の定義があります。どのお店に入っても一定のクオリティが保証されているのは、旅行者がお店選びをする上では安心ですね!
今回ご紹介するのは「大乃屋」。観光客だけではなく、地元の人が多く訪れるお店です。カウンター席もあるので、一人旅でも気兼ねなく利用できるのも嬉しいポイント。
大乃屋のぶりプリ丼は、手前に漬け、奥にそのままの切り身が乗せられています。漬けはそのままいただきます。奥の切り身とお野菜は、しょうゆダレかみそダレ「スタミナつけてミソ」をかけていただきます。
食べ進めると下から何やらぷるんとしたものが。焼いたブリをライスペーパーで包んだもので、これがまた美味。12箇条の決まりを守りながらもお店独自の工夫で個性が表現されています。
ぶりプリ丼にはアラ汁を付けることもルールで決められています。アラ汁ってあまり身がなくて食べにくいイメージ…というか魚のダシを味わうイメージなのですが、大乃屋さんのアラ汁は、ブリの身がたっぷりと入っていて驚き!これ、アラですか!?と思わず聞いてしまいました。
ご主人によると、使用している黒瀬水産のブリはとても品質が良く、本来小量では購入できないものだけど、地域活性のためにぶりプリ丼に使わせてもらっているのだとか。ご主人は毎日、黒瀬水産に足を運び買い付けをし、毎日何杯売れたかを市役所に報告するそうです。地元企業や自治体、店舗が協力して串間を盛り上げているところに、ぶりプリ丼の美味しさの秘密があるんですね。
それにしても1,200円でこのクオリティは驚きのコスパです!
宮崎県はお茶の産地。中でも都城 は周りを山に囲まれた盆地で、寒暖差が大きく霧がよく発生し、お茶の栽培に適した土地です。都城でお茶の販売を手掛ける薩摩園 鎌田茶業が運営する「SATSUMAEN CAFE今町別邸(外部サイトへリンク)」は、抹茶・抹茶スイーツはもちろんのこと、鎌田茶業だけの珍しいお茶が楽しめるカフェです。
竹林の奥に佇むカフェは、店内もゆったりとしたレイアウトで、静かに過ごすにはピッタリ。テラス席もあり、お天気が良ければ外の風を感じながらティータイムを楽しめます。また、カフェ利用だけではなく、鎌田茶業の茶葉を買い求めることもできますよ。
珍しいのが「紅抹茶(あかまっちゃ)」という商品。紅茶を抹茶にしたものですが 、大変手間がかかるものだそうです。わたしたちが普段飲んでいる緑色の抹茶は、てん茶を茶臼で挽いたもの。鎌田茶業は長い年月の研究の末、“紅茶のてん茶”の製造に成功し、これを茶臼で丁寧に挽き、紅抹茶を生み出したそうです。
紅抹茶とはいったいどんな味なのか。興味津々。まずは普段飲んでいる抹茶のように、紅抹茶を点て出し(たてだし)で味わってみました。
茶筅でクリーミーに点てられたビジュアルはまさに抹茶。泡の色はミルクティーのような感じです。
うつわに口をつけると、ふわっと紅茶の華やかな香りに包まれます。「あ、紅茶だ」と思った瞬間、唇が泡に触れ「あ。いつもの抹茶だ」と脳が瞬間的に判断。そして口に含むと紅茶の風味。「あれあれ?やっぱり紅茶だ」と、不思議な感覚が交互に訪れる新感覚!
続いて紅抹茶のソフトクリーム。先ほどのお茶で心の準備ができているとはいえ、紅茶だと思うとやはりちょっと違う。あくまでも紅茶の抹茶で、茶葉の甘味と華やかな香りが濃く感じられます。色は全く抹茶と違うのですが、口に入れるとどことなく抹茶の雰囲気も感じられるのが不思議。独特の風味を持つ抹茶と比べると、比較的優しくて優雅なお味といった印象で、年齢関係なくおいしくいただけるソフトクリームです。また、紅抹茶はミルクとも相性が良く、カフェラテもおすすめだそうですよ。
実はこの紅抹茶、スタートはクラウドファンディングでの受注生産だったそうです。紅茶の抹茶という新しい発想を多くの方が支援し、270年以上続く都城のお茶の歴史に新たなジャンルを生み出したんですね。
宮崎といえばマンゴーを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。私自身も「宮崎に行くならマンゴーが楽しみ!」と思っていたのですが、ここでぶつかったのが「冬ってマンゴーどうなの?」という疑問。
宮崎市内中心部にある「MANGO STAR(外部サイトへリンク)」は、東京に住んでいたオーナーが宮崎を訪れた際に、旬以外の時期にマンゴーを食べたいと思ってもなかなか良いお店に出会えなかったことがきっかけで生まれたお店。「必要は発明の母」とはまさにこのこと!
県産の完熟マンゴーの旬は4月から7月下旬頃。それ以外の季節でも宮崎マンゴーが食べられるお店を目指し、小林市にマンゴーを瞬間冷凍する業者を見つけたことから1年中安定して質の高いマンゴーメニューを出せるカフェのオープンにこぎ着けたそうです。
人気の「マンゴーサンドイッチ」は、県産の完熟マンゴーを半分使った贅沢なメニュー。美味しさへのこだわりはマンゴーだけではありません。マンゴーを挟むパンは、宮崎県で人気の国富製パン所のものを使用しています。
厚みのあるマンゴーにマスカルポーネクリームと国富製パン所のパンの黄金比!宮崎に来たことを実感できる贅沢なメニューです。
ここで素朴な疑問が。「やっぱり冷凍したものよりも生のマンゴーのほうが美味しいんですよね?」とスタッフの方に聞いてみました。すると、「確かに生のマンゴーは香りが高くフレッシュなんですが、ちょっとした時期の違いによって“まだほんの少しだけ早い”みたいな時も。その点、瞬間冷凍のものは、最高のタイミングで冷凍されているのでいつ食べても美味しいし、甘みも凝縮している気がします」とのこと。
一年中美味しいマンゴーが食べられる秘密は、旬のマンゴーを瞬間冷凍できる技術にあるようですね!
こちらもサンドイッチと同じくマンゴーを半分使用した「宮崎完熟マンゴーパフェ」。マンゴーの下にはマンゴーのコンフィテュール、ココナッツのパンナコッタ、ミルクソルベ、バジルのソルベ、マンゴープリン、フルーツグラノーラ、ダイワファームのソフトクリームなど、13種類の素材が使われているので、飽きることなく最後まで楽しく美味しく味わうことができます。
また、旬の時期なら、フレッシュマンゴーを使用した「宮崎プレミアムマンゴーパフェ」に出会えるかも。先ほどの「宮崎完熟マンゴーパフェ」は瞬間冷凍のマンゴーを使用した通年メニューですが、「宮崎プレミアムマンゴーパフェ」は季節限定なので、出会えたらぜひ試してみてくださいね!友達との旅なら、両方をオーダーして食べ比べてみるのも面白いかも!
MANGO STARの「M」のネオンサインがあるテーブルは撮影にピッタリ。ぜひとろけるようなマンゴースイーツを撮影してSNSにUP してみてください。
今回ご紹介したブリ、お茶、マンゴーは、どれも宮崎の自然の恵みを存分に感じられるのはもちろんのこと、作り手の素材への想いがぎっしりと詰まった至極のグルメでした。美味しさの秘密は技術だけではなく、作り手の地元に対する熱い想いかもしれませんね。ぜひ宮崎を訪れたら、地元の人々が誇るご当地グルメをお楽しみください!
更新日:2023年3月20日