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株式会社宮田本店

昭和5年の石蔵の写真

昭和5年の石蔵

櫂入れ中の宮田育紀社長の写真

櫂入れ中の宮田育紀社長

「日南市大堂津の港町には、つい10数年前まで5つの蔵元が歩いていける範囲にあったんです。今はうちとすぐ先の『八重桜』(古澤醸造)さんだけになってしまいました。」
蔵を案内されながら、7代目社長の宮田育紀さんはこう言葉をはじめられた。

宮田本店の創業は、文化元(1804)年。
これは言い伝えですが、飫肥藩の武士だった初代・宮田萬吉が参勤交代についていく途中、大坂で煙草入れを拾い、それを宿屋の軒先にぶら下げておいたところ、落とし主が見つけて非常に感謝され、お礼に教えられたのが、芋から造る「酢」の醸造方法だったといわれています。その後、酢だけではもったいないと大正時代に「焼酎」、大正末から昭和にかけて「味噌」と「醤油」、「みりん」と造ってきました。後の話ですが、20年ほど前になって酢は焼酎に悪いと聞いて、酢の醸造だけをやめたんです。
うちの商品の販売エリアは味噌も醤油も地元中心。それも日南周辺です。焼酎も地元向けがほとんどでしたが、最近は県外も多くなりました。小さな蔵なので、だいたい行き先が決まっているので、飛び込みで来られても、本当に心苦しいんですけどお断りしてます。芋焼酎に関してはブームが異常ですもん。
製造は芋だけで100石です。2年前は50石、少ない時は30石の時もありました。今年(平成16年)の秋はもう少し増やす予定ですが、芋の入荷次第でしょうね。いい芋じゃないといい焼酎はできませんよ。量でいったらとても勝てないですから品質第一です。
ただ今年は、勉強がてら米もちょっと仕込んでいるんです。上手くいけば出荷する予定ですが、してもいいかなぐらいで。この蔵でも50年前には米焼酎を造っていたらしいですが、売れないので造らなくなったようです。そのうち麦焼酎も勉強していこうかと思ってますが、やっぱり地元は芋焼酎です。

芋は志布志産(鹿児島県)を使ってます。地元の芋も若干は使ってはいますが、生産農家が栽培をやめてしまって、今は2、3軒しかないんです。
芋の仕込みの時は、常勤が6名と、芋切り(芋の両端と傷んだ部分を切り落とす)の人を何名か頼むんですが、『銀の星』を仕込むときには、10名ぐらい頼んでます。というのは、芋(黄金千貫)の皮を全部むいてるものですから。
この芋蒸し機がちょっと違いますね、圧力釜。大豆もこれで蒸します。焼酎で使っているのは宮崎、鹿児島でも2軒ぐらいしかないんじゃないですか。
この蔵は、すべての工程を人間の手作業で造るのがモットーです。
米を洗うのも手で、米を蒸すのもスコップで乗せていく「抜けがけ法」。麹の種付けも手作業です。
ただ、うちの麹室(こうじむろ)では、温度制御のためのセンサーが入っている点と、床麹(とここうじ)といって、広い床の中で種付けして混ぜる点で「手造り」とは謳えないんです。しかし、人の手で心を込めて造っている。それは間違いないんですよ。
一次も二次もかめ壷仕込みで、カメ貯蔵もやってます。
カメは貴重品なので、修理できるのはしてます。割れやすいので気を遣いますね。
ビニールがかぶっているのは、今仕込みはじめた米焼酎用に消毒のすんだカメです。

石蔵入り口の写真
石蔵入り口。左上に「宮田倉庫 昭和5年」の文字

道を挟んだ石蔵は醤油蔵だった

この石蔵は昭和5(1930)年のもので、現在は醤油のもろみと圧搾機がおいてあります。
普段は、2月から3ヶ月ぐらい醤油の仕込み時期なんですが、今年は米(焼酎)をやっているので少しおくれますね。
焼酎でカメが人気なんで、カメ仕込みの醤油も試してみました。宮崎県産大豆と五島列島の塩で造った醤油。非常においしいですわ。
昔はこちらの石でできたタンクに焼酎をいれてたみたいです。番外1号という名前で使っていたとか。
宮田本店では焼酎の他に醤油、味噌、みりんも造っている。
どうしても気になったので、醤油、味噌、みりんの造り方を宮田さんに教えてもらった。

「醤油」こう造る!

原料:大豆・麦・塩

  • (1)まず大豆を蒸しまして、それに煎った麦を割砕機で砕いてまぜる。
  • (2)(1)に麹菌をふりかけて、室(むろ)で醤油麹をつくる。
  • (3)(2)を塩水に仕込み、熟成発酵させる。
  • (4)(3)をしぼって出てきたのが「生揚げ醤油(きあげしょうゆ)」といって醤油の元になる。
  • (5)火入れ殺菌、ろ過、ビン詰め、出荷。

※うちの場合、熟成・発酵に1年間。自然に春夏秋冬を経た方がいいと思います

こだわりのカメ仕込み醤油の写真

こだわりのカメ仕込み醤油

「味噌」こう造る!

原料:大豆・麦または米・塩

  • (1)麦味噌なら麦、米味噌なら米を蒸して、麹菌をかけて、麦麹か米麹を造る。
  • (2)(1)に蒸した大豆と塩を混ぜてつぶし、それを仕込んで重しをかけて、適当な期間熟成させる。

※うちの場合、熟成は1~2ヶ月で、後は冷蔵庫に入れます。このあたりは色の薄いのが好まれますから。白みそですね。

「みりん」こう造る!

原料:米・もち米・醸造用アルコール

  • (1)米を蒸して、麹菌をかけて、米麹を造る。
  • (2)(1)に蒸した餅米を混ぜる。
  • (3)(2)を、醸造用アルコールに仕込み熟成させる。
  • (4)(3)を、しぼって、割水する。

※うちの場合、熟成期間は2~3ヶ月です。醸造用アルコールじゃなくて、焼酎に仕込むところもありますが、それがもともとの旧式なやり方です。

事務所横にある展示棚の写真

事務所横にある展示棚

蔵への入り口にぶら下がる看板の写真

蔵への入り口にぶら下がる看板

『銀の星』胴ラベルの写真

『銀の星』胴ラベル

『銀の星』裏ラベルの写真

『銀の星』裏ラベル

芋蒸し機の写真

芋蒸し機。建物は50年前のもの

仕込み室の写真

仕込み室。上に出ているカメは貯蔵用(10年貯蔵)

常圧蒸留機 の写真

常圧蒸留機

ボイラー用煙突 の写真

ボイラー用煙突

地下タンクの写真

地下タンク。8区画あって、現在は2区画を一時的に使用

石倉の横に立つ看板の写真

石倉の横に立つ看板

株式会社 宮田本店

  • 所在地/日南市大堂津4-1-8
  • 問合せ/TEL.0987-27-1131

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更新日:2011年12月1日

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