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松の露酒造合名会社

松の露酒造合名会社の写真

松の露酒造合名会社

日南市の城下町・飫肥にある、松の露酒造を訪ねた。
創業は江戸末期といわれる。
「当時は、焼酎、味噌、醤油等の製造販売と、米や芋の栽培、養蚕などもやってたみたいです。ただ、当時の建物は昭和29年に火災(類焼)で焼けているので、今の蔵はその時に建て替えられたものです」と、蔵を案内していただいた安藤正憲さん。
「製造量は、年々徐々に増石して、販売も順調にすすんでいます。以前は全体の8割が地元向けでしたが、県外向けが好調なので今は比率も変わっていますね」

安藤正憲さんの写真

安藤正憲さん。蔵は酒谷川のほとりにある

地元で愛される『松の露』の写真

地元で愛される『松の露』

蔵の見学

見せてもらったのは蔵の2階。いくつかの機械類が置かれていた。
「うちも昔は手麹(麹を手造りすること)でした。昭和40年代に入れたドラムで米を蒸して冷やして、種(麹)混ぜして、それを翌日、麹室(こうじむろ)に持って行って1日おき、できた麹を一輪車で一次仕込場まで運ぶといったことが、10年ぐらい前まで続いていました。今はこの全自動製麹機(ドラム)がそういった作業を全部やってくれます。真下が一次仕込み室ですから、このまま1階に落とし込みできるようになってます」

「全自動ドラムのおかげで、それまで感覚でトライしてた部分を、全部データとして入力して、それで造れるようになりました。失敗はないですよね。温度にしろ水分量にしろ、すべてデータに基づいて水の量を減らしたり増やしたり、温度をちょっとあげたりと。ある程度一定した品質が保たれるという利点があります」

このあと、芋蒸し機、一次・二次仕込み部屋、蒸留機など見せていただいた。

2階にある2トンの麹を製造できる全自動製麹機(ドラム)

2階にある2トンの麹を製造できる全自動製麹機(ドラム)

ドラムのちょうど真下の麹をおとすホースの写真

ドラムのちょうど真下の麹をおとすホース

一階にある2基の蒸留機の写真

一階にある2基の蒸留機

芋蒸し機の写真

芋蒸し機。仕込みの時期は1日4トンの芋を使う

県外向け商品と季節限定商品

「うちで今、県外向けで知名度があるのが『人夢可酒(ひとむかし)』という銘柄の商品です。10数年前からいろんなタイプの原酒の樽貯蔵を始めまして、そろそろ出荷しないとまずいかなというので、古いものと新しいものをブレンドして味調整をして製品化しました。一般的にどちらの蔵も麦が多いと思いますが、麦だけではうち独自の味が出てこないので、芋も若干ブレンドしてます。芋だけでやろうかとも考えたのですが、風味とかの点で、穀類焼酎の方が樽酒にあうように思いますね」

「他に、年間通じて焼酎が売れない時期に、焼酎だけに限らず売り上げの落ち込む月ってありますよね。そんな時期に、季節限定商品を年3回ぐらい出すことができればいいなと考えています。販売店さんのお役に立てればいいし、お客さんも何か新しいものがあれば喜ばれるでしょう。これを売りたいというのじゃなくて、お客さまにこういうのもありますよと、情報を提供していこうと考えているんです。飽きさせずに商品を提供していくのも我々のひとつの仕事じゃないかと思うんです」

『人夢可酒(ひとむかし)』40度の写真

『人夢可酒(ひとむかし)』40度

日南焼酎こだわり会

「そういえば、この取材(旬ナビ『匠の蔵』)の話を聞いた時に、同じ名前だと思って」と切り出した安藤さん。
実は、平成11年から日南地区で、『匠蔵(たくみのくら)』というオリジナル焼酎が販売されている、というのだ。『匠蔵(たくみのくら)』を出しているのは、「日南焼酎こだわり会」。
会は、日南市と北郷町、南郷町の酒販専門店が集まって平成11年に設立された。
「では、ちょっと行ってみましょう」と、蔵から20分の所にある「こだわり会」事務局に案内頂いた。

オリジナル焼酎第1弾『匠蔵(たくみのくら)』20度の写真

オリジナル焼酎第1弾『匠蔵(たくみのくら)』20度

会発足当時の幟旗の写真

会発足当時の幟旗

現在の幟旗。この幟のある店で販売中

現在の幟旗。この幟のある店で販売中

インタビュー
日南焼酎こだわり会事務局長 大谷俊一さん(田中酒店)

「日南焼酎こだわり会が発足したのは平成11年6月。それと同時にオリジナル焼酎『匠蔵(たくみのくら)』を売り出しました。
オリジナル焼酎を造るにあたっては、醸造元に地元で愛飲されている松の露さんをお願いしました。

味は一番こだわったところですが、芋焼酎の香りを残しながら、焼酎の苦手な人や女性にもすっと飲んでもらえる焼酎にしたかったので、何度も試飲会を開いて検討しました。味もラベルも酒販店の私たちが、こんな焼酎を売ってみたいという思いを込めたんです。いろんなことが決まるまで半年ぐらいかかりましたが、おかげで、イメージにぴったりの焼酎ができあがりました。
私たち酒販店は、常にお客さんに商品の説明をしながら売るわけです。その時に、お客さんのニーズも聞いています。つまり『匠蔵』は、酒屋が消費者のニーズにあったこだわり焼酎を造った、ということです。

この会ができてよかったのは、今までせいぜい2~3店の酒屋としかおつきあいがなかったのが、日南周辺の25店と情報交換できるようになったことです。どこも小さな酒屋ですが、同じ思いで集まることで力が生まれ、ディスカウントショップなどの安い商品と競争できる品を扱うことで、商品の付加価値も生まれてきます。
おかげさまで、販売量は少しずつ伸びてきていますよ。ぜひ今後に期待して欲しいですね」
独自の焼酎を売り出したいという話を安藤さんが聞いたのは、その1年前にさかのぼる。
「うちもずっと地元でお世話になっている、うちを支えていただいている販売店ばかりなんです。その設立の第1弾として、会独自で販売する焼酎が欲しい。そんな依頼を受けたんです。それで出来上がったのが『匠蔵』なんです。自分たちで商品を作って、お客さんにきちんと説明しながら販売しましょうという、酒販専門店ならではのコンセプトがウケたようで、コンスタントに出てますよ。うれしいことですね」

オリジナル焼酎第2弾『酔蔵(よいのくら)』25度の写真

オリジナル焼酎第2弾『酔蔵(よいのくら)』25度

松の露酒造合名会社

日南焼酎こだわり会事務局(田中酒店内)

  • 所在地/日南市材木町6-12
  • 問合せ/TEL.0987-22-2557

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更新日:2011年12月1日

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