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幸蔵酒造株式会社

幸蔵酒造株式会社の写真

創業は大正8(1919)年。蔵の名前にもなる『幸蔵』(芋焼酎)を出したのが平成5(1993)年。平成15(2003)年8月に「宮崎県酒造」から「幸蔵酒造」に社名変更。おいしい焼酎を提供できることに「幸」せを感じる「蔵」、そんな願いを込めた名前だという。

蔵を案内してもらったのは部長の橋本清一さん。
「私が12年前にここに来た頃は、『青島』『海男子(かいだんじ)』『よか嫁女(よめじょ)』という銘柄の焼酎で、年間400~500石を製造して、販売は地元中心でした。平成5(1993)年3月に『幸蔵』を出して、県外に市場を求め、現在年間1000石ぐらい造っています」
橋本さんは、県北の焼酎メーカーで働いた経験をもつ。自身、あまり芋焼酎に縁はなかったかも、と言う。
「ここへ来てから芋焼酎に愛着が出てきましたね。南九州の焼酎の原点は芋焼酎じゃないかと思うんです。芋焼酎というのは、原料も半年ぐらいしかないし、農閑期に造って、それを1年売る。最近でこそ麦焼酎だとか米焼酎だとか造って年間操業してますから何とかやっていけるんです。だから、南九州では農閑期に芋焼酎を造ってそれを販売しようかというのが初めじゃないですか。そんな年間のサイクルも理にかなっています。私は、ここで芋焼酎を造る中で、初めて本当に焼酎造りになったかな、と。ここで、南九州で育まれた焼酎文化というものにふれた気がしますね」

幸蔵酒造株式会社の写真

幸蔵酒造株式会社

事務所に掛けてあった前掛けの写真

事務所に掛けてあった前掛け

杜氏が魂込めた焼酎造り

「社長(尾前誠実氏)が『魂込めた焼酎をつくらにゃ』と、よく言います。
魂込めたものを造れば、それは伝わるんじゃないか。
杜氏魂とか言われますが、杜氏の仕事は、朝から晩まで、人が見てる見てない関係なく、相手は生き物ですから、手を入れたほどです。かめのもろみに向かって『うまくなれよー、うまくなってくれよ』と、かめのひとつひとつに魂込めながら仕事をしないと、本当のものは出来ないだろうと。
この魂の入った焼酎を、1本でも2本でも作り手の気持ちを伝えながら売っていくことが必要じゃないんでしょうか」
原料の芋は、契約栽培の1社だけ(だから良くも悪くもそこ次第)。米も「ひのひかり」のみ。仕込みはかめ壷。水はすべて、敷地内の井戸水を使う。
そして、20度が主流の宮崎で25度にこだわった。
「本当に生(き)で飲んでおいしく、コクがあるのは25度なんです。焼酎はいろんな飲み方が楽しめますが、ウチの焼酎はまずロックかお湯割り、生(き)で飲んでみてください」
この蔵に来てから3年前まで、社長をふくめて社員はたったの5人しかいなかった。現在は10数名のスタッフで、製造期間も長くし、米や麦の焼酎も造りはじめた。
「いまの時代、量産できないものも付加価値かもしれません。昔から続いた手造りのよさが、この蔵には残っています。それを大事にしたい。量産はできないので、お客さんには待ってもらうことになってしまうのが心苦しいんですが」

日南海中公園の写真

かめを見つめる杜氏 久保浩さん

焼酎文化にふれる

「ブームのおかげか、最近、焼酎についてあちこちで云々言われますが、実際焼酎文化というものはまだ確立されていないと思います。ようやく焼酎にまつわるいろんなことに対して、裏付けが取れ始めた、というところではないでしょうか。
ひと頃、蔵の見学もお断りしていたのですが、文化の育成というのも私たち蔵元の仕事のひとつではないのかと考えています。
(酒販店さんに)実際来て見てもらえば、焼酎文化に親しめるし、『手のぬくもり』だとか言葉に出しても、その重みもまた違ってくると思うんです。焼酎の味に惚れてくれて、造り方にも惚れてもらえば、一所懸命売ってやろうという気持ちになってもらえるんじゃないかな、と思っているんです」

その年の干支が商品名になる限定初留れ芋焼酎『申』の写真

その年の干支が商品名になる限定初留れ芋焼酎『申』
蒸留した時に最初に出てくる焼酎を、初留(しょりゅう)という。また、「初垂れ(「はなたれ」、または「はなだれ」)」とも呼ばれる。このときアルコール度数は60数度あり、検定の段階で45度以下まで割水して、商品化される

時代を感じる蔵の写真
時代を感じる蔵

ボイラー用煙突の写真

「ウチの売りはこれだ(笑)」というボイラー用煙突

製麹用の回転ドラムの写真

製麹用の回転ドラム

製麹用の三角棚の写真

製麹用の三角棚

一次仕込み用のかめの写真

一次仕込み用のかめ

二次仕込み用のかめの写真

二次仕込み用のかめ

常圧・減圧併用の蒸留機の写真

常圧・減圧併用の蒸留機
「減圧は使ったことがないです」(久保さん談)

地下タンクの写真

使用されていない地下タンク

芋焼酎『幸蔵』の写真

芋焼酎『幸蔵』 ラベルは全部手貼り

幸蔵酒造株式会社

  • 所在地/串間市大字串間1393-1
  • 問合せ/TEL.0987-72-0305 FAX.0987-72-6363

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更新日:2011年12月1日

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