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川崎醸造場

創業は明治28年。4代目代表の川崎一志さんと、お姉さんの黒木秀子さんにお話をうかがう。

「本当に恥ずかしいですよ、小さな蔵ですから。大手からするとおもちゃみたいでしょう。だから、撮るところはないとですよ」と、蔵の中の撮影は、一部のみとなりました。

川崎醸造場の写真

川崎醸造場

事務所からの眺めの写真

事務所からの眺め

諸塚発祥の地の記念碑の写真

諸塚発祥の地の記念碑

始まりは?

「初代は、ここがぬくそう(暖かそう)じゃからと、ここに住んで、嫁さんをもらって、その嫁さんがお園さんという方で、その「園」をとって『園の露』という銘柄にしたようですね。よっぽどアレじゃったんでしょう、年数は違うけど、命日はいっしょですもん」

「初代は、熊本の人吉で修行して米焼酎を作り始めたんですが、途中、芋焼酎、麦焼酎、コーリャンの焼酎とか造ったみたいです」

「その頃までは、この近くに焼酎蔵や清酒を造る『白菊』さんとか、まだもう少し上に行った所にもありました」

「というのが、ここが中心地だったんです昔。役場も郵便局も病院もあって。それで下の方に国道が抜けて、中心が下に移って行ったんですね」

「私たちが子どもの頃は、芋焼酎でした。近所でできた芋を使ってやっていたのが、だんだん原料がなくなってきて、米に変わったんですね。昭和40年頃からは、もうずっと米だけですね。その頃は、ほとんど地元で売っていました」

製造は何人で?

「造りは私たち2人と、仕込みの時に妹が3~4日手伝いに来て、瓶詰めやラベル貼りなどは家族でやってます」

「仕込みは年3回、秋2回と春1回で60石。もう1回ぐらい増やせないかとは思ってるんです。ただ気温の関係で、米麹づくりには秋がいいですね」

右から川崎一志さん、黒木秀子さん、川崎さんの長女の聡美さんの写真

右から川崎一志さん、黒木秀子さん、川崎さんの長女の聡美さん(ラベル貼りのお手伝いか?)

コロちゃんの写真

それとコロちゃん

こに来る途中、役場の近くに『川崎酒店』というお店があったのですが、あれは親戚かなにか?

「あすこは、私の店です。昭和28年に3代目が免許をとってはじめたんです」(川崎さん)

工場の道向かいにあるお店は?

「それは、私がこのあたりの人たちのためにやってる店です」(黒木さん)
お二人に、工場内を案内していただいた。
まず驚いたのが、木製の蒸し桶(甑・こしき)。
「明治時代から使っていたもので、私の代になって一度修理に出しました。10年前までは、下から薪で焚いていたんですが、今はボイラーを使用してます。薪も山から取ってきてました。今もそんな作業してたら続かなかったかもしれないですね、やめとったでしょう」

次に室(むろ)。内部は見ることができなかったが、外にもろぶたが積んであった。
「蒸した米に麹をまぜて、室の中に入れて寝かせ、2日目にこのもろぶたに移し、棚に並べて、3日目に仕込みます」

何故、かめで?

「かめは、下の方が丸くなっていて対流し易いとでしょうね。親父がどうしてもこれじゃないと、って使い続けているものです」
「ここに、水とこうじと酵母を入れます。昔は、酵母も入れなかったんですよ。自然に来るのを待って、ゆっくり、ゆっくりした造りでした」

酵母は来るんですか

「ちゃんと来ますよ。ただ、来るのを待っていると2週間かかりますね(現在一次仕込みにかかる日数は約1週間)」

「これが『どぶろく』の状態で、ちょっと飲んでみますか?」

「仕込んで、たぎり具合(発酵)が激しいと嬉しいですね。酵母の力と麹の力が強いんでしょうね。米を蒸して、麹菌を少し混ぜて、それが室に入っているうちに麹菌が増えて・・・。それに水と酵母を混ぜただけ。これが一次仕込みですよ。最初、私たちが作ったのが焼酎になっとかしらと思いました」

「麹は、河内麹。酵母は宮崎酵母を使ってます。宮崎酵母を作っている食品開発センターの方々には、いろいろ相談もしてますね」

-これは、何ですか?「だきです。一次仕込みで発酵がしにくい時に、たぎり湯を入れて栓をして、直接かめの中に入れます。ステンレス製のもあるんですが、急激に温度が伝わるから、こちらの方がやわらかいんです」

代表的な焼酎が並ぶ試飲コーナー の写真

どぶろくの状態。アルコール分14%前後

代表的な焼酎が並ぶ試飲コーナー の写真

櫂入れ中の川崎代表

店内に並ぶ『園の露』の写真

店内に並ぶ『園の露』

仕込み用のかめの写真

仕込み用のかめ

一次仕込みのかめの内部と櫂棒の写真

一次仕込みのかめの内部と櫂棒

『だき』という名前の樽の写真

撮影の許可の下りた仕込み室で見つけた樽。『だき』という名前だという

「二次仕込みには米と吟醸粕を使ってます。まろやかさや、甘みが出ますね。昔は米じゃなくて、米ぬかを使っとった時期もあるんですが、牧水酒造の杜氏さんから、米ぬかよりも米を使う方がいいと教えてもらったりしたこともありました。ここで発酵させて、後は蒸留です」
木製の蒸留機(残念ながら撮影はできませんでした)

「木桶でゆっくりゆっくり蒸留するほうが味にまるみが出るんじゃないかと思います。ステンレスが多いんですが、親父がどうしてもこれでと」

木桶の蒸留機には予備がおいてある。材料は、元仕込み用に使われていた木桶、直径は1m以上ある。

「貯蔵は、10ヶ月から1年。まろやかさを出してから出荷します。待ってるかたもいらしゃるけど、なかなかですね。手造りに魅力を感じるのか知らんけど、私たちははずかしいばっかり」

では、大変おじゃましましたと、帰ろうとすると、「ちょっと待ちね、ちょっとかけとって」
黒木さんが奥から持ってこられたのは、椿の葉にくるんだよもぎだんご。それと自家製のお茶。こちらもおいしくいただきました。

  • 川崎醸造場
    • 諸塚村家代4006
    • 問合せ/TEL.0982-65-0004
  • 川崎酒店
    • 諸塚村家代2638-12
    • 問合せ/TEL0982-65-0056

 

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更新日:2011年12月1日

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