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いむら酒店

延岡市の県立延岡病院南側にある「焼酎の品揃えは県北一」と評判のいむら酒店を訪れた。

高山栄さんの写真

店内に入ると、ちょうど店主の居村祥一さんが焼酎棚の整理中。
「今、焼酎が足りないですね。だからといって蔵元も大急ぎで焼酎を造る、というわけにもいきませんし、そこはお蔵さんみんなわかってますから。お客さんに事情説明して、待っていただいてる状態です」
いむら酒店の創業は、昭和16(1941)年。祥一さんは三代目になる。
「焼酎一本でという訳ではないんですが、焼酎がうちのひとつの柱であることは間違いないですね」

貯蔵タンクの写真 飼料プラントの写真

蔵元に行って気づいた焼酎のうまさ

居村さんが焼酎に興味を持ったのは、焼酎ブームのずっと以前。

「最初は、焼酎、どっちかというと苦手だったんです。匂いがちょっと…。何でこんなの飲んでるんだろうと思ってたぐらいでした。ところが8年前、西都市にある蔵元に行く機会があって、そこで飲ませてもらった時に焼酎への意識が変わりました。単純においしいんですよ。本当に目から鱗。それと、その商品はアルコール度数が25度。宮崎って20度の市場じゃないですか。こんなのもあるんだと、これは面白いと思いました」

それからは、自分の知らない蔵元が他にもあるんじゃないかと気になり始めた。

「がぜん地元の焼酎に興味が湧いてきました。時間を見つけては県内の蔵元に足を運びました。おかげで、北は地元延岡市から一番南の串間市まで9つの蔵元と親しくさせていただいてます」

壷入りの長期貯蔵酒の写真

壷入りの長期貯蔵酒

これからの小売店に求められるもの…

いまの焼酎ブームを居村さんは冷静に見守っている。注目を集めて情報が広がることを歓迎しつつ、小売店のあり方も従来とは違うスタイルを模索しているのだ。
「今、地元の蔵の情報が県外から伝わってくるんですよ。県外の酒屋が飲食店を連れて蔵見学に来ることもあって、実際に現場を見て、それぞれの客に話をするんだからよけいきちんと伝わりますよね。それがまた話題になったりするから、すごくいいことだと思うんですよ。
私たちの仕事は、蔵の様子を、お客さんにきちんと伝えてあげることだと思います。なにも小難しいウンチクを教えようというのではないんです。それが造り手と売り手の間にいる私たち小売店の役割なのかな。そうでなければ、蔵元さんが直接売っていいわけでしょう。
お客さんに聞かれた時に、なるだけご要望に近いものを提案できて、そこに自分で体験してきた蔵元さんの話をしてあげる。蔵のイメージが飲む人に広がっていけば、その焼酎を余計おいしく飲んで頂けるのではないかと思うんです。私は、地元の酒屋として、地元の焼酎たちにそうゆう付加価値を付けたいと思っているんです」
焼酎のいいところは、格好付けない酒。安くて、みんなでわいわい楽しめる。居村さんが伝えたいのは、地元で愛され続けた焼酎本来の姿なのだ。

地焼酎コーナーの写真

地焼酎コーナー

試飲コーナーの写真

レジ前の試飲コーナー

蔵元を呼んで一緒に飲む「焼酎の会」

「今はやはり焼酎のお尋ねが多いですね。地元の方が来られても頼まれたからというパターンが多いような気もします。売れてはいるんだけど、飲まれている場所が違うのかな。地元の酒は地元でも飲んで欲しいと思いますね」
そんな思いから居村さんはひとつの仕掛けを計画中だ。
「地元のお酒なのに意外と知らない方が多いので、今度親しくしている蔵元を呼んで『焼酎の会』を開こうと計画中なんです。ただの飲み会なんですけど(笑)。それをきっかけに一人でも多くの方に知ってもらえれば。口に合う、合わないは飲んでみないとわかりませんからね。気に入ったら日々の晩酌に飲んでもらえればというのが狙いです」
これが小売店としての次のステップだと、居村さんはいう。
「蔵元を訪ねると蔵の思いが伝わってくるから、いいかげんな売り方はできないですよ。どれも本当に一所懸命造られたものですから、私たちはそれをきちんと伝えていきたいですね」

居村祥一さん の写真

清酒の品揃えも豊富

居村祥一さん の写真

居村祥一さん

有限会社 いむら酒店

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更新日:2011年12月1日

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