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姫泉酒造合資会社

宮崎県で一番ふるい酒造場

県北にある日之影町の五ヶ瀬川がすぐ近くに流れるこの地に、宮崎県で一番ふるい醸造場があると聞いてやってきた。

上は姫泉酒造合資会社の写真 下は表にある酒屋さんの写真

上:姫泉酒造合資会社
下:表は酒屋さん

ちょうどこの日は会社がお休みだということで、誰もいない蔵を姫野社長に案内していただきながらお話をうかがうことができた。

県内最古の醸造場だそうですが?

「創業は、天保2年(1831年)、いま私で7代目です。もともとは清酒と焼酎を造っていたので、焼酎は「かす取り焼酎」がはじめで、それから米焼酎、麦焼酎、とうきび焼酎、そば焼酎とふえてきて、清酒作りのほうはやめて50年ぐらいになりますか。この建物自体は、当時のものではなくて130~140年ぐらい前のものです。残しておいて欲しいと、よく言われますね」

フーゼル油をすくう道具の写真

「これは、フーゼル油をすくう道具です。20年ぐらい前までは濾過していたんですが、濾過すると、フーゼル油と一緒に浮いてきたおいしい成分も取り除くこと になるので、油だけを取り 除く方法はないものかと、いろいろ調べて作ったものです。馬の毛がはってあります。10月の末から翌年の3月まで約5ヶ月、毎日これで油をすくってます。大変ですが、これも味を残すためですね。無濾過の焼酎は、お湯でわったときにすぐわかりますよ。少し濁った感じになりますが、これがうまみなんです」

「その黒いのは麹菌で、これだけは絶対拭き取らないんですよ。あったほうがいいんです。かくれ菌とか言われていますね。同じ水、同じ原料を使っても味が違うのは、この菌だと思います。これが最終的にその蔵の味をきめているんですよ」
「これが、もち米の樫樽貯蔵を…」

蔵へ下りる通路の写真

蔵へ下りる通路

蔵の内部の写真

蔵の内部

大きな梁の写真

大きな梁

かくれ菌 の写真

かくれ菌

樫樽の写真

樫樽

もち米? 何故もち米の焼酎を?

「まず、蒸すときにパラパラ一粒一粒になるような蒸し方をしないと、餅のようになったら発酵の時にきれいに溶けないし、仕込むタイミングも機械ではできないので、大手ではできないものをということで20年くらい前に始めたんですよ。味も、米焼酎よりちょっととろっとしてほのかにあまくなりますね。まあ、うちが最初に始めたということで、「元祖」の文字を入れたんですよ(笑)」

ここから、以前は麹を造っていたという2階に案内された。

「何に使ったものかわからないものもあるんですが、こちらに古い道具類がそのまま残してあります。この部屋を使わなくなったもので、こうやった残ったんですね」 「最初は、量り売りでしたからね。上からすくって売っていたんですが、途中からこんな木でできた蛇口を下に付けて売ってましたね」

元祖本格もち米焼酎『やま里』の写真

元祖本格もち米焼酎
『やま里』

2階の部屋の写真

2階の部屋

木製の蛇口の写真

木製の蛇口

蒸留器と暖気樽の写真

蒸留器と暖気樽

量り売り用のカメの写真

量り売り用のカメ

2階の隠れた試飲室での出来事

なぜ、試飲出来る場所が設けてあるんですか?
「最近も、福島、新潟、山口、神戸の酒屋さんが蔵の見学に見えたんですが、見学に見える方があってこちらの都合が良ければ蔵の案内をしているので、ここで試飲出来るようにおいたんですよ。ただ、いっぱい来てもらうと困るんですが 一階の機械や壁に貼ってある説明書きは、見学される方々のためなんです」

ところで、何故この地で酒造りを始められたんでしょう?
「それは、水でしょうね。ここからすぐのところにあるのでちょっと行ってみましょうか」ということで、試飲は中止(残念!)して、蔵の外に。

「この川(五ヶ瀬川)の向こう岸、指の先のもう少し上に水がわきだしていて、この水を見つけたのでここに酒造場を作ったんだと思うんですよ。木炭層の間から湧き出る水。その水を引いてきているんですが、人の家の庭を通してもらったりしていますから、そちらのお家にはこの水をわけてあげてますよ」
それはいいことされてますね
「水道料はもらってますよ、年一回」
エエッ!?
「そのお金で水のわき出してるところをきれいに掃除して、そのあとみんなで飲み会をするんですが、楽しみですねー」
やっぱり、飲むんかい!

冗談はさておき、会社の応接室にもどって、現在と今後の取り組みについてうかがった。

「興味を持たれていますね、焼酎が。今、日本酒造組合中央会(東京)で、需要開発委員をやってまして、全国の本格焼酎を売るためにはどうやったいいかということで3年になりますか。その時「健康」でいこうかというのが、功を奏したかなという感じはしてますね。宮崎県酒造組合では、(需要開発)委員長として、最近では、東京の日本橋高島屋で試飲・即売会をやってきたばかりですね。また平成15年の東京での商談会の時には、東京周辺の小売店さんや飲食店さんに2000通近いメールをお出しして、180名以上の方に来ていただきました。今、その時の方々から注文がはいってきています。そのほかにも、大阪・仙台・札幌でも同じような取り組みをしています。宮崎の焼酎をとにかく広げないといけないと。また、高千穂酒造協同組合(5社加盟)では、県の組合ではまだ取り組んでいない、千葉・横浜・名古屋・京都・神戸などの都市、一社で行くのは大変だという所に行こうと計画中です。ここである程度の成果が上がれば、県の組合の方での取り組みにももっていけるんではと思っています。 またつい最近、焼酎を扱いたいとある免税店の方が見えたので、それでは沖縄の泡盛焼酎や奄美の黒糖焼酎まで全部そろえてみたらどうですかと答えたんですよ。海外のお土産に焼酎、いよいよ国際的になってきたのかなーと感じましたね」

2階の隠れた試飲室の写真

2階の隠れた試飲室

説明中の姫野社長の写真

説明中の姫野社長

五ヶ瀬川の写真

五ヶ瀬川

姫野建夫社長の写真

こちらが、姫野建夫社長

五ヶ瀬川の写真

2003年11月に宮崎空港ビルで開催された試飲・即売会「本格焼酎と清酒まつり」

地図

姫泉酒造合資会社

  • 日之影町大字岩井川3380-1
  • 問合せ/TEL.0982-87-2016 FAX.0982-87-2019

 

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更新日:2011年12月1日

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