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ひでじビール醸造所

延岡市内から、行縢山(むかばきやま)のふもとにあるひでじビール醸造所まで車で約15分。まだ約束の時間には早く、ブルーマイスター(醸造責任者)の山口さんは仕込み用の麦芽挽きの真っ最中だった。

山口さんを待つ間、事務所でひでじビールのいろいろを教えていただいた。

平成8(1996)年6月に創業。現在事務所に5人、宮崎市内の企画室に2人の7人で運営されている。

製品はレギュラービールが4種類で、それ以外に季節ビールを年数回出している。仕込みは年150回を超え、年間の出荷量は120キロリットル(ビール大瓶にして19万本ぐらい)。需要の伸びる夏の時期の仕込みは一気に増える。

ひでじビールの原料は、麦芽(モルト)と水とホップとビール酵母。
水は、行縢の天然水。麦芽は、ドイツ・チェコ・イギリスからの輸入で国内のものは使用してない。

「大麦を麦芽に変える過程は、ヨーロッパの何百年かの歴史があるので、輸入物を使っているんです」(金井さん)
ビールができるまで、早いもので1カ月半、長いもので3カ月~4カ月。おいしいさというより、ビールのスタイルによって違う。

行縢山の矢筈の滝の写真

行縢山の矢筈の滝

びでじビール行縢山醸造所の写真

びでじビール行縢山醸造所

それぞれのビールに行縢山に生息する動物の愛称ついている

それぞれのビールに行縢山に生息する動物の愛称がついている

ビールの製造工程

醸造所の内部の写真

  • (1)仕込み
    麦芽を破砕して、温水に入れて釜で煮込む。麦芽の甘い汁が出てくる(麦芽のでんぷんが糖に変わる)
    ろ過する(麦芽粕を取る)。麦汁ができる。
    麦汁を、煮込む。ホップ(苦み付け、香り付けのほか、防腐剤の役割がある)を加える。
  • (2)発酵
    麦汁を冷却して、ビール酵母を入れる。ビール酵母が糖を食べてアルコールと二酸化炭素を出す。
  • (3)貯蔵・出荷
    酵母の入ったまま低温で貯蔵して、酵母を残したままビンや樽につめて出荷する。

「ビール造りは、最初から生き物相手ですから人柄が出るんですね。造り手によって、剛胆だったり、やさしかったり、きめ細かかったり…。山口工場長は、かなり繊細な方だと思うので、いつも優しいビールができますね」(大塚さん)

県産材の杉を使った野外ステージの写真

醸造所の内部。仕込み用の釜

仕込みを待つ挽かれた麦芽の写真

仕込みを待つ挽かれた麦芽

麦芽粕の写真

麦芽粕。肥料や飼料に使われる。

販売はギフト需要が多い。

「県内の皆さんに毎日飲んでもらえるのが一番いいんでしょうが、まだまだ値段的なものもありまして、ギフト用が多いようです」(金井さん)

ブルーマイスターに聞く

ひでじビールのブルーマイスター・山口宗久さん
ブルーマイスターとは、製造をしきる、原料の管理から造りすべての責任者のこと。

山口さんは以前は、北海道、鹿児島でビール造り、焼酎造りにも携わった経験をもつ。ひでじビールには、チェコ人のブルーマイスターの手伝いで赴任し、4年前にブルーマイスターとなる。

造りへの想いというのはありますか?

醸造は、生き物を扱っているようなものです。ビールの場合、工程は醸造の部分だけで終わります。それだけに気を遣う、手のかかる商品です。ビール造りというのは、本当に慌ただしいんですよね。毎日毎日新しい仕込みをして、出来上がるのは1カ月~2カ月先で。最後にビン詰めやってひと区切りなんです。

造る時にはいろいろ考えますよ。なんといっても気持ちよく造るのがいいんじゃないかなーと最近思うんですよ。
お酒は、造りのノウハウはあっても、造る人の生活が反映されるみたいな気がして怖いですね。

酒蔵の話とかワインの話を読んで感銘を受けると、「その人になろう」とか、「あの人はこんな気持ちで造ってるのかなー」とか、思いながら造っている時もあります。

はっきりは分からないんですが、今ひでじビールを買って飲んでいただいている方たちは、ものすごくおいしいからとかじゃなくて、たぶん、まだ未熟で、土の中でうごめいているような、そんな発展途上を感じてくれているのかなーと思うんです。

でも、おいしくなければわざわざ買って飲んではいただけないですよね?

グランプリとか金賞とか取ったお酒は飲んではみたいけど、味は好みになるでしょう。おいしいというのは、やっぱりシュチュエーションに負うところが大きいと思うんですよ。いいお店とか、いい相手とか、お店の人が一言そえた言葉であったり、これがいいらしいよって薦められたり。

だから、味をどうこうしたら売れる、とは思わないんです。造ったビールをどうすれば、自分がこう扱って欲しいという形で出していけるのか。その思いが伝わるかどうかだと思います。

大規模なビールメーカーは、どうしても造り手ひとりひとりの意志はあまり反映されていないだろうし、均一化した味もニーズのひとつです。もちろん価格も。それに対して小さい蔵は、造る人間が変われば味は変わるし、造る人間が成長すれば酒も成長すると思うんです。

ではひでじビールは何を求められているのか? それはまだみんなが完璧には分かっていない。僕個人で考えてやってしまってもだめなんです。みんなで意見をぶつけ合っていきながら、妥協せずに、コレという方向性ができればいいと思います。

その答えに導いてくれるのは、お客さんの一言とか、情報だと思います。それを受け入れる余裕というか体制を作りたいです。

ひでじビールのみなさん。左から山口さん、金井さん、大塚さん、・・さん、片伯部さん

ひでじビールのみなさん
左から山口さん、金井さん、大塚さん、尾崎さん、片伯部さん

商品の写真

銘柄

原料

容量

度数

価格

A ダーケン・ボア・ウィート・スペシャル
(愛称:いのしし)

麦芽(小麦麦芽使用)

330

5.4

500

B ゴールデン・フォック・スピルスナー
(愛称:黄金きつね)

麦芽

330

5.0

500

C スモーキング・モール・エール
(愛称:もぐら)

麦芽

330

5.0

500

D むささび・黒生
(愛称:むささび)

麦芽(黒麦芽使用)

330

4.5

500

ひでじビール醸造所

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更新日:2011年12月1日

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