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成人人口10万人あたりの焼酎消費量が日本一といわれる焼酎王国・宮崎。この街に、焼酎を見せ・試飲もできる焼酎ギャラリー「アルデバラン」が、平成15年に初お目見えした。日南市飫肥の王手門酒造が、宮崎市内に作ったアンテナショップだ。
宮崎駅から徒歩で約10分。瀬頭交差点の角ビルの1階にあって、外観からは家具か何かのショールームのよう。なんともおしゃれな店だ。中に入ると、ますます家具屋さんのようだ。ゆったりとしたソファー、凝った装飾のパーテイション(ついたて)、内装もアジアンというか無国籍というか…。
責任者の田中正史さんに話を聞いた。
「今の焼酎ブームに、蔵元も情報発信したいという気持ちを形にしてみたのがアルデバランです。焼酎というと、居酒屋でコップ酒とか、晩酌に一杯、という飾り気のない庶民的な飲み物というイメージがあります。もちろんそれも焼酎が親しまれてきた歴史だし、文化なんですけど、新しい焼酎の飲み方があってもいいじゃないか、という発信を試みたんです」
小さな猪口で差しつ差されつという、日本酒の格式張った飲み方に対して、焼酎は自分の好きなスタイルで自由に飲める、楽しさが魅力だと焼酎博士・永山久春さんが言った。自分のスタイルで飲める焼酎。ならば、自分のお気に入りの空間で、思いっきりおしゃれに焼酎を楽しんでみてもいい。
焼酎を飲むシチュエーションを打ち破ってますね?
「そうですね。従来の一升瓶の世界ではないでしょうね。焼酎をおしゃれに飲んでいただくための空間づくりの提案がこの店です。こんな雰囲気で、うちの焼酎は飲めるんですよ、こういう雰囲気も似合うでしょう、という演出を楽しんでもらいたいんです」
家具屋さんと思われたことは?
「何度かありますよ(笑)。でも、このテーブルやパーティションなどここにある家具や陶器は、売り物なんです。飫肥(日南市)にある本社の杜氏・國貞憲太郎がデザインして作っているものなんですよ。ほかに焼酎のラベルも彼のデザインです」
焼酎のネーミングもユニークですね?
「やはりインパクトのあるものは、手にとってもらいやすいですし。思いも込めていますよ。これはうちの焼酎がゆくゆくは焼酎の王となって欲しいことから命名した『不阿羅王(ファラオ)』…ファラオはエジプトの王様ですね」
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『不阿羅王(ファラオ)』
芋 原酒40度 720ml |
『不阿羅王』は芋焼酎。ほかに麦、ラム酒のような甘い香りのするヤシの実焼酎もある。醸造方法はかめ仕込み、かめ貯蔵の昔ながらの方法。
「こちらの『モダンタイムス』は、ご存じチャップリンの映画からとったものです。機械化された工場を皮肉に描いた場面がありますが、うちの工場も手作業にこだわっているんです。その辺に共鳴したんですよ」
「今は焼酎も大手メーカーでは機械化が進んでいますが、仕込み中の焼酎はまさに生きものなんです。ですから、できる限り一次・二次仕込みの温度管理も、色合いや香りを人の五感で確かめながら、手の温もりがあるような焼酎を作りたいんです。ビン詰め、ラベル貼りまで手作業で行っているんですよ。年間二百石の小さな醸造所だからできることにこだわり抜きたいんです」
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モダンタイムス
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パッと目を引く斬新さとは対照的にも感じる、頑固な焼酎造りのこだわり。その確固とした基盤があるからこそ、できる挑戦がアルデバランなのだろう。
ところで、アルデバランとはどういう意味ですか?
「アルデバラン(aldebaran)とは、アラブ語で、今後に引き継ぐものという意味です。現在、約9割を県外に出荷しているので、次なる拠点を東京や福岡に発信するという思いを込めたんです」
眺めたあとは体験しましょう。試飲コーナーと試飲会。
ここでは、いつでも王手門酒造でつくる全焼酎の試飲ができる。もちろん試飲は無料。試飲のポイントは原料と度数。まずは香りをじっくり嗅いでみる。いくつか試してみると原料の違いがわかってくる。
このへんで、質問をする。原料のこと、他の商品との比較などなど。試飲ってのは、タダ酒にあらず。知識を仕入れるものナリ。
アルデバランでは、月1回試飲会を開催している。ちょっとしたおつまみを用意して、同社の焼酎を楽しんでもらおうという企画で、誰でも参加できてしかも無料。
ついでにどうぞ、と勧められる仕込み水も味わってみる。
「車を運転される方やアルコールのだめな方には、仕込み水が好評なんですよ。この水は、焼酎の命なんです。おいしい水を飲んでみてください」 |
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宮崎駅から徒歩10分のところにあるアルデバラン

田中 正史さん

店内の内装は、銅板の打ち出しなど自分たちでやった



王手門酒造の杜氏・國貞憲太郎デザインの家具類

棚に並ぶ焼酎

ずらり並ぶ試飲コーナー

月1回開催される試飲会 |