神話のふるさと宮崎

神話のふるさととは

日本最古の歴史書といわれているのが、712年に太安万侶により編さんされた『古事記』です。その8年後に作られたのが『日本書紀』で、こちらは日本に伝わる最古の正史とされています。
『古事記』上・中・下巻のうち、上巻に登場する場所のおよそ3分の2が宮崎周辺を舞台にしたといわれます。『古事記』は、天地が創造され、神々が生まれ、日本の島々が生まれるシーンから始まる物語。宮崎はなぜ、この「神話」の舞台となっているのでしょうか?

宮崎市神話・観光ガイドボランティア協議会の岡田勝運会長にお話をお聞きしました。
宮崎市神話・観光ガイドボランティア協議会 岡田勝運会長
日向の国
『古事記』を読むと、皇室の系譜が中心にありますが、ものごとの起源や意味、古代の人々の道徳観や死生観、思想などがよく分かります。「人々は、海の向こうに神秘の国があると考えていました。大和の国(現在の奈良県)の人々にとって、日向の国と呼ばれていた南九州はそういう地だったでしょう」と岡田会長は言います。
太陽がさんさんと降り注ぎ、とうとうと水が流れ、森の木々が育つ、自然豊かで美しい日向の国。豊かな恵みが海、山からもたらされ、弥生時代に始まっていた稲作も人々の暮らしを潤していたことでしょう。中でも「照葉樹林の豊かさは、当時の人々も感じていたと思いますよ」。生命の源であり、保水し、空気を生み、川や海にミネラルを届ける照葉樹林は古代から大切にされてきました。
日向の国
ただ、自然は美しいだけではありませんでした。「火山の噴火や台風などの天地災害は、恐ろしかったことでしょう。激しい神の怒りであるかのような自然の猛威もまた、古事記の舞台にふさわしいのです」と岡田会長。喜びがあり、苦難を乗り越える物語は、私たちの祖先が何度も体験してきた営みそのものなのです。
日向の国
岡田会長は、多くの来訪者にガイドをしています。
いただくお手紙には「海や山、木々を見るときの価値観が変わってきました」
「神話は、奥の深い日本人のふるさとだと感じました」などが書かれているそうです。
「日向神話を楽しく聞いてもらう中で、自然の美しさはもちろん、
人とのつながりや思いやり、生命の愛おしさが心に残ればうれしいですね」。
宮司が語る 連載開始
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