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50の物語集 神話編

第二十三話 ウガヤフキアエズの誕生|日南市 高千穂市 宮崎市佐土原町

本当(ほんとう)はサメだったトヨタマヒメ

海幸彦との決着もついたある日のこと、山幸彦のもとにワタツミの宮からトヨタマヒメが一人で訪(たず)ねてきて、こう告げました。

「私のおなかにはあなたの子どもがいて、もうまもなく生まれそうです。私は海の国の者ですが、天つ神(あまつかみ)のあなたの子を海で生むことなどできません。それで、こうしてはるばるやってきました。どうか、波打ちぎわに鳥の鵜(う)の羽で小さな産屋(うぶや)を建ててください。私はそこであなたの子を生みたいと思います」

山幸彦は大急ぎで産屋をつくりはじめました。

しかし、鵜の羽で全部屋根をつくり終わらない内に、トヨタマヒメは今にも子どもが生まれそうになり、あわただしく、つくりかけの小屋の中に入ってしまいました。そして
「どうか、私が子を生む時にはお願いですから絶対に中をみないでください」
と、山幸彦に告げました。

しかし、「見るな」といわれれば見たくなってしまうものです。

「どうして中を見てはいけないのだろう」

ふしぎに思った山幸彦はがまんできずにとうとう中をのぞいてしまいました。

すると、そこには大きな大きなサメがのた打ち回っていたのです。トヨタマヒメの本当の正体はサメだったのです。

それをみておどろいた山幸彦は、あわてて後ずさりして逃げ出してしまいました。

子を無事に生み終えたトヨタマヒメは、
「あんなに見ないでくださいとお願いしたのに、私の本当の姿をのぞかれてとてもはずかしく思います。この子を育てるために、これからは海から通ってこようと思っていましたが、今となってはそれもできなくなりました」

こういうと、波打ちぎわに生まれたばかりの子どもを置いて、ワタツミの宮に帰ってしまいました。

このとき生まれた子は、鵜の羽を産屋の屋根に葺(ふ)き終わらないうちに生まれたことから、ウガヤフキアエズと名付けられました。

【鵜戸(うど)神宮】(日南市)
ウガヤフキアエズの生誕地と伝えられ、縁結びや安産の神としても知られています。
トヨタマヒメが我が子ウガヤフキアエズを思って残したとされるお乳岩や、海から乗ってきた亀がそのまま岩になったとされる亀石があります。

【佐野原聖地(さのばるせいち)】(宮崎市佐土原町)
ウガヤフキアエズが天下を治めたところといわれ、カムヤマトイワレヒコ(神武天皇)をはじめ、4人の皇子の生誕地といわれています。
また、「佐野原」の地名は、神武天皇の幼名サノノミコトに由来するものといわれています。

【吾平山上陵(あひらのやまのうえのみささぎ)】(日南市)
ウガヤフキアエズの御陵伝説地として明治29年に宮内庁が指定したところです。
鵜戸神宮の背後にある速日の峰の山頂にあり、今もおごそかで高貴な気配が漂っています。

【吾平山陵(あひらさんりょう)】(高千穂町)
ウガヤフキアエズの御陵として伝えられています。
古くから神話の里高千穂を代表する大切な御陵として祀られており、毎年4月に祭典が行われます。

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