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50の物語集 神話編

第二十二話 弟に服従する海幸彦|宮崎市 西都市 日南市北郷町

山幸彦(やまさちひこ)海幸彦(うみさちひこ)をこらしめる

いよいよ山幸彦が帰る日がやってきました。

「私はこれから陸に戻り、兄に釣り針を返してきます」

すると、ワタツミはまたたくまに海中のサメを集め、たくさんのサメの中から一頭選んで山幸彦を一日で陸へ送り届けるよう命じました。

山幸彦を背に乗せたサメは、ものすごい速さで海を進み、約束どおり一日で陸に着きました。

山幸彦は三年ぶりに陸に上がりました。そしてさっそく兄の海幸彦のもとへ行くと、ワタツミから教えられた通りにおまじないを唱えながら釣り針を返したのです。

それからというもの、海幸彦の釣り針は以前のようには魚が釣れなくなりました。ほかにも、やることなすことすべてがうまくいかないようになり、しだいに、
「これはきっと弟のせいにちがいない」
と考えはじめました。そしてとうとう山幸彦を攻めてきたのです。

山幸彦は、今度もまたワタツミから教えられた通りに塩満珠を使って海幸彦をおぼれさせ、海幸彦がすくいを求めたところで今度は塩乾珠を使って助けました。

しかし、負けずぎらいの海幸彦は一度のことではこりません。何度も山幸彦を攻めては同じようにやっつけられてしまいました。
「これは何だかおかしいぞ?」

何回戦っても勝てないことをふしぎに思った海幸彦は、ようやく山幸彦がワタツミから力をさずかったことに気づきました。

そして山幸彦に向かって
「もう二度とあなたにさからいません。これからはあなたに従(したが)い、昼も夜もあなたをお守りしましょう」
と深々と頭を下げたのでした。

こうして、海幸彦は山幸彦に仕(つか)えることとなったのです。

【都於郡城跡(とのこおりじょうあと)】(西都市)
日本書紀には、山幸彦の御陵について「日向の高屋山上陵(たかやのやまのうえのみささぎ)」とあり、都於郡城跡がその地であるといわれています。
14世紀半ば、この地を支配していた伊東氏はここに山城を築き、以来約250年にわたり、日向を治める居城としてその栄華をきわめました。

【鰐塚山(わにつかやま)】(田野町)
山幸彦がワタツミの宮から陸に戻るときに乗ってきたサメの墓(塚)があると伝えられ、鰐塚山の名前もこれに由来しています。
なお、古事記や日本書紀の中にでてくる「鰐(ワニ)」とは、サメやフカなどを指しています。

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