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50の物語集 神話編

第二十話 山幸彦とトヨタマヒメ|宮崎市

山幸彦(やまさちひこ)竜宮城(りゅうぐうじょう)()

海幸彦の大事な釣り針をなくした山幸彦は泣き悲しんで海辺にたたずんでいました。

その時、潮の神さまシオツチの翁(おきな)が現れ、
「どうしてこんな所で悲しんでいるのか。よければわけを話してみなさい」とたずねました。山幸彦はこれまでのいきさつをくわしく話しました。

「よろしい。それだったらわしが良い方法を考えてみよう」

さっそく、シオツチは、竹で小船をつくり、山幸彦をそれに乗せるとこう言いました。

「わしがこの船を押し流すから、そのまま潮の流れにまかせておくがよい。やがて良い潮の流れに乗るから、そのままずっと行くと、そのうち、キラキラと光り輝(かがや)く御殿(ごてん)が見えてくるはずじゃ。それが海の神ワタツミの宮じゃ。そこに着いたなら、門のそばに木があるから、そこにすわってそのまま待っているがよい。やがて、ワタツミの娘があなたを見つけ、きっと良い知恵をさずけてくれるじゃろう」

山幸彦はシオツチの教えの通り、船で海を漂(ただよ)い続けていると、たしかにキラキラと輝く御殿が見えてきました。そして、そこに着くと言われた通りに門のそばの木の上にすわって待っていました。

「誰かしら?いったいどこのどなたでしょう」
最初に山幸彦に気づいたのは、ワタツミの娘トヨタマヒメの侍女(じじょ)でした。

「門のところに、これまで見たこともないようなそれはうるわしい男の方がいらっしゃいます」

その騒(さわ)ぎはトヨタマヒメの耳にも入りました。

様子を見に外に出てみるとトヨタマヒメの目に映(うつ)ったのは、りりしく、こうごうしい若者の姿でした。

「なんとすてきな方でしょう」

「何と美しい人だ」

たちまち二人の心は燃え上がり、トヨタマヒメの父ワタツミからも祝福を受けて結婚することになりました。

※神さまメモ「海(うみ)の神(かみ)ワタツミ」
人の貧富を左右する力を持つ水と海の支配者です。海中の御殿・ワタツミの宮は、竜宮城という言い伝えもあります。

【青島神社】(宮崎市)
山幸彦がワタツミの宮から帰ってきた際に、当神社のある青島にたどり着いたといわれています。毎年1月に行われる「裸参り」は、村人たちが着物を着るひまもなく、海に飛び込んで山幸彦を迎えたという故事にちなんでいます。
境内には、天孫降臨から神武天皇の東征までをろう人形で再現した「日向神話館」があり、神話のストーリーが分かりやすく展示されています。

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