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50の物語集 神話編

第十九話 海幸彦と山幸彦|宮崎市

()(ばり)をなくしてしまった山幸彦(やまさちひこ)

炎の中で生まれたコノハナサクヤヒメの子で長男のホデリ(海幸彦)と三男のホオリ(山幸彦)は、いつしかりっぱな若者に成長しました。

兄の海幸彦は海で魚をとり、弟の山幸彦は野や山で狩りをしてくらしていました。

ある日、山幸彦はキラキラ輝(かがや)く海をながめているうちに、魚を釣ってみたくなりました。

「たまにはおたがいの道具を取りかえっこしてみませんか?」

山幸彦は海幸彦に言いました。

「何を言う。魚をとる道具は命より大事なものだぞ。そんなことができるか!」
と海幸彦は聞き入れません。それどころか釣り糸を海へ投げ込んでは次々と魚を釣り上げました。それを見た山幸彦はますますおもしろくありません。

「お兄さん、どうか今日一日だけでいいから、弟の願いを聞いてください」と、泣いて頼み込みました。

海幸彦は、しぶしぶ自分の釣り道具と、弟の弓矢を交換しました。さあ、ようやく釣りができる山幸彦はうれしくてたまりません。さっそく海に釣り針を投げ込み釣りを始めたのですが・・・さっぱり釣れません。何時間も、何度も、いろいろとやってみたのですが、やっぱり釣れませんでした。釣れないどころか、

「あ!・・・」
海幸彦の大事な釣り針を海中でなくしてしまったのです。

夕方になり、そろそろ釣りも終わりだと海幸彦がやってきました。

「お兄さん、私はあなたの大事な釣り針をなくしてしまいました」

「なに! 釣り針は命より大事なもの。たとえ弟でも許すことはできん!」

海幸彦にこう言われても、広い海の中から小さな釣り針をさがすことなどできません。困(こま)り果てた山幸彦は、自分の剣をつぶして五百もの釣り針を作り、許してもらおうとしましたが海幸彦はどうしても許してはくれませんでした。

【王楽寺(おうらくじ)】(宮崎市)
宮崎市瓜生野の竹篠山にある古寺で、ホオリノミコト(山幸彦)がこの地で誕生し、成長した後にここから日向灘を眺めたといわれています。
王楽寺という名前は、ニニギノミコトが「朝日や夕日のさすこの地は良い地である」と言って楽しんだ場所ということに由来していると伝えられています。

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