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50の物語集 神話編

第十八話 コノハナサクヤヒメの出産|西都市 宮崎市

(ほのお)(つつ)まれた(かな)しみの出産(しゅっさん)

「コノハナサクヤヒメ、あなたはたった一夜で子どもができたと言いますが、そんなはずはない。その子はきっとほかの国つ神(くにつかみ)の子だろう」

ニニギノミコトのこのひと言はコノハナサクヤヒメの心をとても傷つけました。

コノハナサクヤヒメは
「私はこれからお産の準備をします。もしあなたが言うとおり、生まれてくる子どもがほかの国つ神の子であるなら無事に生まれてはこないでしょう。しかし、あなたの子であるなら、たとえ火の中でもきっと無事に生まれてくることでしょう」

こう告げると、コノハナサクヤヒメは出口のない大きな産屋(うぶや)をつくらせました。そして中へ入ると、まわりを土で塗(ぬ)りふさいでこもってしまいました。

やがて出産の時が近づきました。

するとコノハナサクヤヒメは産屋のまわりにみずから火を放ったのです。そして、燃えさかる炎の中で三人の男の子が生まれました。

三人の名は、火が燃えさかる時に最初に生まれた子がホデリ(火照)。次に火の勢いがより強くなった時に生まれた子がホスセリ(火須勢理)。最後に火がおとろえてきた時に生まれた子どもがホオリ(火遠理)です。のちに、ホデリは海幸彦、ホオリは山幸彦と呼ばれるようになりました。

こうしてコノハナサクヤヒメは炎の中で無事に三人の子どもを生み、身の潔白(けっぱく)は証明されたのですが、ニニギノミコトから疑(うたが)われたことにひどく傷つき、それからもニニギノミコトに心を開くことはありませんでした。

【無戸室(うつむろ)】(西都市)
コノハナサクヤヒメが出産のために造った産屋の跡といわれています。
たった一夜でニニギノミコトの子をみごもったことを疑われたコノハナサクヤヒメは、身の潔白を証明するために、戸の無い産屋に入り、炎の中で3人の子を生んだと伝えられています。

【児湯(こゆ)の池】(西都市)
火の中で生まれたホデリノミコト(海幸彦)、ホスセリノミコト、ホオリノミコト(山幸彦)の3神の産湯に使ったところといわれています。
また、この池の名が宮崎県児湯郡の地名の由来にもなったといわれています。

【木花(きばな)神社】(宮崎市)
コノハナサクヤヒメとニニギノミコトを祀り、「木花」はコノハナ(木の花)に由来しているといわれています。
境内にはコノハナサクヤヒメが生んだ3皇子の産湯に使ったとされる「霊泉桜川」や、産屋があったとされる「無戸室(うつむろ)の跡」があります。

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