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50の物語集 神話編

第十話 神々が舞い降りる天孫降臨|高千穂町 五ヶ瀬町 高原町

天孫(てんそん)ニニギノミコトいよいよ地上(ちじょう)

さて、高天原(たかまがはら)から追い払われたスサノオは、地上の世界である“葦原の中つ国(あしはらのなかつくに)”に降り立ちました。

それからかなりの時がすぎ、スサノオの子孫であるオオクニヌシは、いくたびの試練を乗り越え、葦原の中つ国を長いこと治めていましたが、ある日、高天原のアマテラスから国を差し出すよう命じられ、結局それに従(したが)ったのでした。

ある日のこと、アマテラスは子のアメノオシホミミを呼んで言いました。

「ようやく葦原の中つ国を治める時がきました。前に話したとおり、あなたがそこに降りて、国を治めなさい」

するとアメノオシホミミは

「私が葦原の中つ国に降りるしたくをしている間に子どもが生まれました。名をニニギノミコトといいます。私のかわりにこの子を降ろすのがよろしいかと思います」
と答えました。

そこでアマテラスは孫のニニギノミコトを呼びよせるとあらためて

「もくもくとたなびくこの雲の下には、稲穂が豊かに実る美しい国があります。その国は、葦原の中つ国といい、“天つ神(あまつかみ)”のあなたが治める国です。これからそこへ降りて、しっかりと国を治めてきなさい」
と告げました。

ニニギノミコトは、さっそく準備を始めました。

その時のことです。一人の神さまが大あわてでやってきてこう報告しました。

「ニニギノミコトがこれから降りられる道の途中で怪(あや)しい姿の神が待ちうけています。体からはふしぎな光を出していて、その輝(かがや)きは下から高天原を照らし、これから向かう葦原の中つ国までも照らしています」

また、ほかの神さまは
「背の高さは見上げるほど高く、口のはしは明るく光っています。目はとてつもなく大きく、ホオズキのようにギラギラと赤く光っているのです。・・・おぉ、恐(おそ)ろしや恐ろしや」
と、ブルブル震(ふる)えています。

それを聞いたアマテラスは、いろいろな神さまを使わしてその神の正体を確かめようとするのですが・・・どの神さまもただ逃げてくるばかりです。

そこで、アマテラスはアメノウズメを呼んで、

「おまえは女神ではあるが、どんな神にも恐れず向かってゆくことのできる勇気のある神だ。そこであの怪しい神の正体を確かめてきなさい」と命じました。

アメノウズメは言われたとおりにその神のところへ行き、こうたずねました。

「この道はこれからニニギノミコトがお通りになられます。その前に立ちはだかるとは、そなたはいったい何者か?」

すると、その神は
「私は“国つ神(くにつかみ)”のサルタヒコと申します。ニニギノミコトが天から降りられると聞いたので、ぜひともご案内しようと思い、ここでお待ちしておりました」
と答えました。

これを聞いたアマテラスはひと安心。

あらためてニニギノミコトは、アメノウズメ、アメノコヤネ、フトダマ、イシコリドメ、タマノオヤの五人の神さまをお供(とも)につけ、サルタヒコの案内で、葦原の中つ国へと旅立ったのでした。

ニニギノミコトはぶ厚い雲をかき分けかき分け、ズッシズッシと、おごそかに、そして堂々と降りて行きました。そして、その途中、天の浮橋(あめのうきはし)に立ち寄ると、地上の世界を見下ろし、これから降り立つ場所をしっかりと確かめました。そして、キリリとそびえ立つ山をめざしてひと息に降り立ちました。

そして、
「ここは朝日が海からまっすぐにさしこみ、夕日もひときわ輝いている。ほかとくらべようがないほど、とてもすばらしいところだ」

ニニギノミコトはこう言うと、高天原にも届くかと思われるほどの高さのりっぱな宮殿(きゅうでん)を建てて、そこに住むことになりました。

こうして天つ神の皇子(おうじ)は地上の大地に降り立ち、葦原の中つ国を支配する時代がいよいよ始まりました。

※神さまメモ「葦原(あしはら)の中(なか)つ国(くに)」
天の高天原と、地下の黄泉の国の中間にある地上の世界です。葦原とは“アシ”が茂っていることを感じさせる言葉で、栄えるさまを意味するようです。
※神さまメモ「天(あま)つ神(かみ)と国(くに)つ神(かみ)」
「天つ神」は高天原にいる神で、「国つ神」は地上の世界の「葦原の中つ国」の神です。
※神さまメモ「天孫降臨(てんそんこうりん)」
アマテラスオオミカミの命令で、孫のニニギノミコトが、「葦原の中つ国」を治めるために高天原から地上に降り立ったことをさして、このように呼ばれています。

【二上(ふたがみ)神社】(高千穂町)
高千穂町と五ヶ瀬町の町境に位置する二上山の麓にあり、イザナキとイザナミを祀っています。
二上山はニニギノミコトの降臨の地として、昔は山全体をご神体としてあがめる数少ない山岳信仰の場所でしたが、現在では高千穂町に二上神社、五ヶ瀬町に三ヶ所神社がそれぞれ建立されています。

【三ケ所(さんがしょ)神社】(五ヶ瀬町)
天孫降臨の地と伝えられる二上山の祠(ほこら)を、山麓に降ろして建てられた神社でイザナキとイザナミを主祭神として祀っています。本殿の脇障子には司馬遷の「史記」にちなんだ彫刻が施されているほか、毎年9月の例大祭には国の重要無形民俗文化財に指定されている「荒踊」が奉納されます。また、二上山の9合目には岩壁に張り付くようにして奥宮が建てられています。

【くしふる神社】(高千穂町)
くしふる峰の中腹にある神社で、古事記に「日向の高千穂のくしふる峰に天降りまし…」と記されるニニギノミコトの降臨の地として伝えられています。
最初は社殿もなく山そのものをご神体として祀っていましたが、今から300年ほど前に延岡藩主や村人たちの厚い信仰によって社殿が建てられました。

【高千穂峰(たかちほのみね)】(高原町)
天孫降臨神話の残る標高1,574mの山で、鹿児島県との県境に位置しています。宮崎県側にある山頂にはそのことを物語るかのように天の逆鉾が立てられています。
天の逆鉾については諸説ありますが、ニニギノミコトが地上に降り立つ場所を雲の上から探すために使った後、山頂に逆さに立てたものと伝えられています。

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