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50の物語集 伝説編

第五十話 大豆の神さま 仁王さま|高原町

村人(むらびと)(すく)った大豆(だいず)(かみ)さまは仁王(におう)さま

今から百年ほど前のことです。

高原町の狭野(さの)では、人々が会うたびに
「今年は大豆の出来が悪いなあ」
と話していました。

天気が悪いわけでもないのに大豆の不作は、次の年もまたその次の年も続きました。

そのころから、人々は小声でひそひそと
「あれのばちが当たったにちがいない」
とうわさしていました。

「ばち」とはこういうことでした。

むかし、狭野神社のとなりに神徳院(しんとくいん)というお寺があり、庭に大きな仁王さまが立っていました。

しかし、このお寺は年々すたれてしまい、そのうちに訪(おとず)れる人もいなくなってしまいました。

お寺は荒れ、そのうちに仁王さまは倒(たお)され、そのひょうしに近くの小川に流されてしまいました。

「大豆がとれなくなったのは、仁王さまをおそまつにしているからにちがいない」

「そうだ。早く、元どおりにお建てしないといかん」

そして、村の者みんなで話し合った末に、仁王さまを引き上げることにしました。

でも、高さ二メートル、重さ二百キロもある大きな大きな仁王さまです。

村人は力をあわせて、やっとのことで引き上げると、もとの場所に建て直しました

すると、どうでしょう。

次の年から、大豆は大豊作。

村人たちは
「仁王さまのおかげさま」
と感謝し、仁王さまを大豆の神さまとして大切におまもりして、大豆の豊作をお祈(いの)りしたということです。

※神さまメモ「神徳院(しんとくいん)の仁王像(におうぞう)」
神徳院は狭野神社の別当寺でしたが明治時代に入り、「廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)」のために取り壊されました。仁王さまの像は今では狭野神社の北参道近くの薄暗い木立の中に静かに二体並んでいます。

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