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50の物語集 伝説編

第四十九話 鬼岩階段の伝説|都城市高城町

(おに)一夜(いちや)でつくった鬼岩階段(おにいわかいだん)

昔むかし、霧島山のふもとの村に、全身が真っ赤、目も真っ赤、もじゃもじゃの髪の毛の間からは、これまた真っ赤な二本の角がニョキと生えた悪鬼が住んでいました。

悪鬼はみんながいっしょうけんめいに育てた米や野菜やニワトリを盗み、村人たちをたいそう困(こま)らせていました。

ところで、この村には長い黒髪をうしろでたばねた、色白のほっそりとした、それはそれはたいそう美しい娘がいました。

こともあろうに、あの赤い悪鬼はその娘を気にいり、
「俺の嫁(よめ)さんにくれ」
と娘の家に何度もお願いに行きました。

すると娘の父親から、
「おまえは、悪いことばかりしているから娘はやらん!」
と言われたものだから、鬼は赤い顔がますます真っ赤になり、村の田んぼや畑をめちゃくちゃにしてしまいました。

困った村人たちは、みんなで相談をして、村の守り神に
「悪い鬼を何とかしてください」
とお願いごとをしたのです。

すると、ある晩、神さまがあらわれて鬼に告げました。

「お前が望みをかなえたいなら、これまでのつぐないをしなさい。それには今晩のうちに千個の石を使って百段の石段を積むのだ。一番鶏(どり)が鳴く前にそれをやってのけたら、あの娘をお前の嫁にしてやろう。もし、百段積めなかったら、この村からすぐ出ていくがよい」

ある日のこと、夜になったかと思うと、赤鬼はさっそく千個の石をせっせと積み始めました。赤鬼はすごい力持ちだったので、あっと言う間に石を積みあげていきます。

これを見た神さまは困ってしまいました。

そして、考えた末に東の空をちょっぴり明るくしました。

「コッケコッコー!コッケコッコー!」

一番鶏の鳴き声を聞いて、びっくりしたのは赤鬼です。九百九十九個の石を積み上げ、あと一個で完成というときに夜が明けてしまったのです。

赤鬼はがっかりして、山の奥のそのまたずっと奥に入って、二度と出てこなくなったそうです。

【鬼岩階段】(都城市高崎町)
東霧島神社の境内から本殿に続く石の階段で、鬼が一夜にして造ったと伝えられています。また、別名「振り向かずの坂」と呼ばれ、願い事を唱えながら後ろを振り向かずに登り切るとその願いがかなうといわれています。
乱れ積みされた石段の数は正確に数えることはできませんが、170段とも180段ともいわれています。

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