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50の物語集 伝説編

第四十一話 桜川の伝説|西都市 宮崎市

桜舞(さくらま)親子(おやこ)愛情(あいじょう)  桜川物語(さくらかわものがたり)

昔、日向の国に、桜子という女の子がいました。桜子は、父を早くに失い、母親と二人でくらしていましたがとても貧(まず)しい生活をおくっていました。

「何とか、お母さんだけでも生活を楽にしてあげたい」

そう思った桜子は、村に人買いが来た時に、母にはないしょで自分をその人買いに売ってしまいました。

おどろいたのは母親です。母親はコノハナサクヤヒメの神さまに桜子が遠くへ行かないようお祈(いの)りし、桜子をさがすため旅に出ました。

それから、三年の月日がたちました。

桜子は常陸(ひたち)の国(今の茨城県)で寺に入り、仏の修行(しゅぎょう)をしていました。その寺のそばには桜川という桜の名所があり、ある日、寺の住職(じゅうしょく)が弟子(でし)たちを連れて花見に出かけました。

すると、村人が住職に話しかけてきました。

「桜の花も見事ですが、散った桜の花びらを一枚一枚拾い上げている変わった女があそこにいますよ」

ふしぎに思った住職は、さっそくその女の方に近づき、その様子を見ていましました。

女は最初は静かに、ひとり言を言いながら桜の花びらをすくっていましたが、その村人が
「にわかにさっと風が吹き、桜川には花が散る、花が散る」
と一言いうと、その女の様子はまたたく間に変わり、本当に狂ったように桜の花びらを拾いはじめました。

住職は女にたずねました。

「あなたはどなたですか」
女は答えました。

「私は日向からきた者です。桜子という名の娘と生き別れてしまったのでこうして旅に出てさがしているのです」

住職は、その女の言葉と様子から、彼女は弟子の桜子の母親にちがいないと思い、桜子と女を引き合わせました。

あまりに変わり果てた母の姿に桜子は泣きながら抱きつきました。

母親も、すがる子が自分の子であることに気づきおたがいに再会を喜びました。

その後、親子は連れ立って日向へと帰り、仏の道に入って安らかな日々を送ったということです。

※桜川の伝説は、宮崎市の木花神社と西都市の都萬(つま)神社に残されています。

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