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50の物語集 伝説編

第四十話 平景清の伝説|宮崎市

自分(じぶん)()をくりぬいて、うらみの(こころ)()()った景清(かげきよ)

平景清は、敵から「悪七兵衛・景清」として恐(おそ)れられた武将でした。

平家(へいけ)が源氏(げんじ)との戦いに敗れた後、景清は源氏にとらえられました。本当なら死罪になるところを、源氏の総大将源頼朝(みなもとのよりとも)の特別なはからいで、僧として日向に流されました。

日向に来てからの景清は、僧りょとして残りの人生を静かにくらしたいと思いながらも、源氏の繁栄(はんえい)を見るに耐(た)えられず、悩み苦しんでいました。

そして、ついに、その苦しみからのがれるため、

「この目がすべての迷いのもとだ。この目があるからいけないのだ」
と、自分の両目をえぐって、空に投げつけてしまったのです。

しばらくして、幼い頃によそにあずけていた娘の人丸が大きくなって、はるばる日向まで父を訪(たず)ねてきました。

人丸は寺の門をくぐると、そこにいたやせおとろえた目の不自由な僧りょに向かって、それが父景清であるとも知らず、
「このあたりに景清という名の者がいるはずですが、ごぞんじありませんか」
とたずねました。

景清はすぐにその声が自分の娘のものであることに気づきましたが、
「なにぶんにも目が見えないのでわかりません」
とそ知らぬ顔で答えました。

やむをえず人丸は景清のもとをはなれましたが、まもなくしてこの土地の住人と会ったので、事情を説明しました。

するとその人は、
「その方はまぎれもなくあなたのお父上です」
と言って二人を引き合わせてくれたのです。

こうして景清は、娘人丸と久しぶりの再会を果たしました。そして、景清ははるばる訪ねてきてくれた人丸に
「こんなみすぼらしい姿で父と名乗れば、お前の恥(はじ)になると思ったのだ。どうか許してくれ」
と涙を流してあやまったのでした。

【景清廟(かげきよびょう)】(宮崎市)
平家の武将で「悪七兵衛景清」と恐れられ、源氏に対する復讐心から自分の目をくり抜いて盲僧となった平景清の霊を祀っています。
廟内には、景清の娘人丸の墓や、景清が使用したという硯(すずり)石があります。

【生目(いきめ)神社】(宮崎市)
平景清が自分の目をくり抜いて空に放り投げ、その目が落ちた場所といわれています。
昔から「日向の生目様」といわれ、眼病の神様として有名です。平景清と応神天皇を主祭神としています。

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