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50の物語集 伝説編

第三十六話 オオヤマツミと鬼の約束|西都市

もう(すこ)しで(おに)のお(よめ)さんになる
      ところだったコノハナサクヤヒメ

コノハナサクヤヒメが、ニニギノミコトと出会う前のお話です。

昔、西都市の西都原には、力持ちの鬼が住んでいました。そんな鬼にも一つだけ思い通りにならないことがありました。それはお嫁(よめ)さんのことでした。

ある日、鬼は、それはそれは美しい娘コノハナサクヤヒメを見かけました。

「あの美しい姫を嫁にしたいものだ。しかし私は見るからに恐(おそ)ろしい鬼。どうやってあの娘を嫁にしたものか」
と、いろいろと考えました。そこで、鬼は父親の山の神オオヤマツミを訪(たず)ね、お願いをすることにしました。

「どうか、コノハナサクヤヒメを私の嫁にください」

それを聞いたオオヤマツミは大弱り。何しろ、相手は恐ろしい顔をした鬼です。美しいコノハナサクヤヒメが鬼のプロポーズを受けるはずがなく、オオヤマツミもかわいい娘を鬼のお嫁さんにする気などさらさらありません。

「話は分かった。明日の夜明けまでに、大きな石の岩屋をつくることができたなら、娘を嫁にやろう」

それを聞いた鬼は、さっそく岩屋をつくりはじめました。何しろ、とてつもない力持ちです。石の岩屋など、たった一晩でつくりあげてしまいました。

それで安心した鬼は、うつら・・・うつらと寝てしまいました。

そこへ、心配になったオオヤマツミが様子を見にきました。すると、大きな石を積んだ大きな岩屋ができ上がっているではありませんか。おどろいたオオヤマツミは、あることを思いつきました。

さて、夜が明けて鬼が起きてみると、ちゃんと完成したはずの岩屋の石が一枚抜けています。 鬼がふしぎがっているところにオオヤマツミがやって来て
「石のぬけた岩屋では、娘を嫁にやることはできん」
と言い、鬼の申し入れを断りました。

岩屋の消えた一枚の石・・・それは鬼が眠っている間に、オオヤマツミが抜き取って遠くに投げてしまっていたのでした。

【鬼の窟(おにのいわや)古墳】(西都市)
コノハナサクヤヒメを嫁にと願う悪鬼が、父のオオヤマツミから一夜で岩屋をつくるように言われ、完成させたところといわれています。
古墳の入口から玄室に至る道の天井に大きなすき間があり、オオヤマツミが石を1枚抜き取った跡ともいわれています。

【石貫(いしぬき)神社】(西都市)
コノハナサクヤヒメの父である山の神オオヤマツミを祀り、鬼と「一晩で岩屋を完成させれば娘を嫁にやる」と約束したオオヤマツミが、完成した岩屋から1枚抜き取って投げた石が落ちた場所といわれています。
参道の入口にはその石が据えられています。

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