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50の物語集 伝説編

第三十五話 白水さまの伝説|美郷町南郷区

白水(しらみず)さまの正体(しょうたい)(りゅう)(かみ)

昔、南郷村の樫葉(かしば)という山中に「白水」という名の神社があり、水の神さまをおまつりしていました。

ある日、そこの神主(かんぬし)が、神社の近くにある白水の滝に向かって言いました。

「白水さま。どうかあなた様の正体を私におがませてください」

神主は、二十一日間、一日も休むことなく祈(いの)り続けました。

すると、願いが聞きいれられたのか、何物かが白い馬にまたがって、滝の中央を下っていくのが見えました。

ところが、
「私が今見たものの正体はいったい何だったのだろう」
神主は、また二十一日間、一日も休むことなくずっと祈り続けました。
すると、今度は滝つぼの中から、竜の姿がはっきりと浮かび上がって見えました。

神主は、そのとき初めて白水さまの正体が竜であることを知りました。

しかし、その神主は、四十二日間もの間、ずっと祈り続けたことや、白水さまに無理なお願いをしたことがたたって、とうとう死んでしまったということです。

こんな話もあります。

白水さまは梅雨(つゆ)のころになると、いろいろな形に姿を変えながら水かさの増した川の流れに乗って海へ下り、十一月になるとまた白水の滝に帰ってきたそうです。

ある日、白水神社の参道(さんどう)に牛のつめ跡が続いていました。

誰かが、その跡を追っていくと白水の滝まで続いていました。

そのときは、白水さまは牛の姿に変身していたのです。

また、ある梅雨の日に村人が川を渡っていると、真っ赤に熟(じゅく)した柿が流れてきました。

村人は、
「今頃、熟した柿などあるはずはないのだが…」とふしぎそうに見ていました。

これもまた白水さまが柿の姿に変身して川を下っていく途中だったのです。

このとき、見てはいけないものを見てしまった村人は、あわれにもまもなく命を落としてしまったということです。

【白水(しらみず)の滝】(南郷区)
南郷村上渡川地区の樫葉原生林の中にあり、高さ数十mの岸壁から白い筋を引いて流れ落ちる美しい滝です。
その下流には多くの渕があり、谷壁斜面に残る自然の林相とあいまって、訪れる人々の心を和らげるような景観が広がっています。

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