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50の物語集 伝説編

神話・伝説のこぼれ話

第三十三話 こぼれ話 【椎葉村】

平家落人(へいけおちうど)(かな)しみの()御池(みいけ)

椎葉村に伝わる平家落人の伝説には、こんな話も残されています。

椎葉に逃げのびた平家の一族は、村中のいろんな場所に分かれ、隠(かく)れるようにくらしていました。

平家の残党(ざんとう)を討(う)つために椎葉にやって来た那須大八郎は、ある朝、椎葉の向山(むかいやま)という所に来て、まわりを見わたしていました。

すると、谷間のむこうに煙が上がっているのを発見しました。その煙は、そこでくらす平家の一行(いっこう)が朝ごはんのしたくをしているときのものでした。

源氏の追っ手に発見されたという知らせは、村中に隠れすんでいたほかの平家の者たちにも伝わりました。

とある一行は、
「早くここを離(はな)れよう」
と、したくもそこそこに、あわてて出発しました。

そして、途中で、白鳥山の御池(みいけ)という池に着き、そのほとりで休んでいました。

そのときです。一行の見張りの者が、下の谷間に何か白い物が揺(ゆ)れているのを見つけました。

「大変です。源氏の白い旗がたくさん見えます。とうとうここにも追っ手がきました」

一行は、
「もはや逃げ切ることはむりだ。最後は武士としていさぎよく死のう」 と覚悟(かくご)を決め、御池のほとりで、全員がみずから命を絶(た)ったのです。

しかし、見張りの者が追っ手の白い旗と思ったものは、なんと山々に咲きほこる山桜の白い花だったということです。

【御池(みいけ)】(椎葉村)
近くの白鳥山に咲いたコブシや山桜を、源氏の白旗と見まちがえ、追っ手がきたものと思い違いをした平家一族が、自害した場所といわれています。一帯は、モミ、ツガ、ナラなどの木々が茂る自然林で、ひとときをのどかに暮らした平家の人々の心が伝わるようです。

【白水(しらみず)の滝】(椎葉村)
平家の残党が、滝の上流の御池近くに本陣を構えた時、滝の水で米をといだところ、そのとぎ汁がこの滝を流れて真っ白に見えたことから、この名がついたと伝えられています。

【霧立越(きりたちごえ)】(五ヶ瀬町、椎葉村)
九州中央部の山岳地帯を尾根伝いに縦走するルートで、平家の残党が五ヶ瀬町の鞍岡からこの道を通って椎葉に逃れてきたと伝えられています
ブナを主体とした原生林やシャクナゲの群落地など高山植物や野鳥の宝庫となっています。

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