更新日:2011年12月1日
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宮崎県の南西部霧島山系のふもとに広がる都城盆地の北西部に位置する山田町。
観光開発基本計画を「かかし村構想」と名付けたこの町には、大きなかかしのモニュメントが町を見守るようにどっしりと構え、その周りにはかかしの似合う豊かな田園風景が広がっていた。
そこは霧島の麓。見渡す限り広がる田園風景の中に、今回の目的地である「アイガモ水車館」は存在した。豊かな自然あふれる景色に溶け込むように、それはそれは大きな水車がゆっくりと回る。ここではアイガモを使った米作りを軸とした農業体験ができると聞いてやってきた。

水車館


5年かけて作られているログハウス。木の香りが優しく漂う
アイガモ農法とはアヒルとカモの交雑種のアイガモを使った米作りのこと。アイガモは稲などの食物は食べず、田の中の雑草や害虫を良く食べるのだそうだ。そんなアイガモを放鳥すると、田の中を歩き回り、草も生えにくくする。また、常に田の中の水と土をかき混ぜ、中耕なども行ってくれる。その上、化学肥料に代わってアイガモのフンが、稲の養分を供給。これらのことで農薬や化学肥料を使わずに米作りができるというのだ。こんな都合のよい農法があったなんて…!感心しきりで訪れた私を笑顔で迎えてくれたのが、このアイガモ水車館をご主人や「かかし村グリーンツーリズム研究会」の仲間とともに作り上げてきた吉見カツ子さんだ。
アイガモ農法については学んでいったものの、実のところ農業については何もわからずやってきた私を、吉見さんは温かな眼差しで迎えてくれる。
「ここでは、アイガモ農法が体験できるんですよね?」と尋ねると、「アイガモを使った米作りも体験できますよ」と吉見さん。
アイガモを使った米作りも…、ということは、ほかにも何か体験できるのだろうか?そんな疑問抱く私に、吉見さんは続けた。
「ここでは、来て下さった方がやってみたい!と思ったことにできる限り協力したいと思っているんですよ。例えばこの水車、この水車を動力とするオルゴールや琴の制作にも取り組んでいるし、先日は陶器を作りたいとおっしゃる人が来られたので、この近くの陶芸のできるところまで案内してあげたんです」と微笑む。

吉見さん

実習生と吉見さん
佐賀から来たという実習生の権藤聖子さんは、まるで娘のような存在だという
そうか、ここではここに来てやってみたい!と思ったことを口にしてみればいいんだ。もちろん、できることとできないことがある。しかし、それが可能なことならば、実現できてしまう。ここはそんな場所なんだ。
それは農業に限ったことではなくても良いのだと吉見さんは言う。私が訪れた数日後にも、とても素敵な計画が立てられていた。それはイギリスの楽器による音楽会。
「私には楽器の名前も何もよくわからない。そんな楽器の演奏会をここで開くんです。この広がる自然の中で、作りかけの空の池に座り、遠い外国の楽器の演奏を聞いてみるのも素敵でしょう」
心も体もゆっくりできそうな、こんな景色に包まれ、夜空に輝く月や星を眺めながら聞く演奏会はどんなに素晴らしいものだろう。目を閉じると、聞いたこともないきれいな音色が響いてきそうな気がした。
心が安らぐ旅がしたい。そう思ったら、ぜひここを訪ねてみてほしい。目的はその雄大な自然に包まれながら、考えてみてもいい。「これからもいろいろな出会いを大切にして、たくさんの人に楽しい体験や思い出を作ってほしい」そんな思いを抱く、優しいお母さんのような笑顔がきっと温かく迎えてくれるはずだ。
水車館

ダチョウもワンちゃんもみんな仲良く!

花

この空の池に座り、音楽会が楽しまれる


水車楽器
水車を動力に可愛い音色を奏でる
アイガモ水車館
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